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風散布種子における群飛行が到達距離に及ぼす流体力学的効果とその生態学的機能の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23K03334
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
研究機関秋田大学

研究代表者

秋永 剛  秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (50512711)

研究分担者 成田 憲二  秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (40333918)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード風散布種子 / 旋回落下の動力学 / 群飛行 / 散布距離 / 弱協同現象 / 流体力学 / 生態学的機能
研究開始時の研究の概要

群飛行が風散布種子の到達距離に及ぼす流体力学的効果と生態学的機能を検証する。具体的には、「単体では旋回落下するカエデの種子は、親個体より一斉に放出されることで流体力学的な相互作用を通して群飛行を実現し、風散布範囲を広げる」という我々の仮説に対し、モデル実験、数値シミュレーションおよび野外での定点観測を行う。カエデの種子を対象として、風散布条件と散布種子の動力学を分析し、飛翔制御機構を明らかにすることで、風散布種子における群飛行の生態学的意義を明らかにする。さらに、種子の相互作用は、翼果の散布タイミングの同調がどのようにコントロールされるかという新たな生態学的な視点を生み出すものと考えられる。

研究実績の概要

群飛行する風散布種子の生態学的意義に関し、初年度は翼果の単一落下特性を流体力学的観点から調べるために、翼果の落下初期、遷移位相、終端落下運動状態を多角的に測定する予備実験を重ね、落下状態を定量化する計測システムを開発した。落下状態を特徴付ける翼果の姿勢、落下速度、旋回角速度などの測定値を、海外や日本で過去に進められた先行研究と比較したところ、両者は定性的に一致するが、定量的には差異が見られた。そこで、移動する物体を比較的高速かつ高解像度で自動追尾する機能を有するカメラを導入し、翼果の落下動力学に対する空間測定精度を向上させた。翼果の個体差や落下初期条件の影響を考慮し、その差異の原因について検討しているところである。
併せて、被写体との距離に依存せず一定の光学倍率を保つ特殊な光学系により、翼果の落下姿勢の時間変化を精度良く測定し、翼果の終端落下運動にわずかなゆらぎの現れることを確認した。その原因として、翼果の旋回運動により生じる伴流の不安定性によるもの、あるいは、周囲の外乱が一定の速度と旋回角速度を保つ落下運動を不安定化させることが、また、いずれの場合においても、翼果の複数落下特性は単一の場合とは異なるものとなることが示唆された。集団で落下する翼果の滞空時間を稼ぐ戦略―流体力学的な最適条件―を解明することが本研究の主な目的である。
個体差や成熟度に依存する翼果の形態と質量分布得るためにCTスキャンを行なったが、極薄翼部の検出が容易でないため、翼果の3Dモデル化がまだうまく行っていない。CTスキャナーの測定パラメータ最適化および画像処理方法を検討しているところである。並行して、簡略化した翼果モデルに対して、終端運動の安定性を評価する数理モデルを構築している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

翼果の落下状態を定量化する計測システムを開発し、落下状態を特徴付ける翼果の姿勢、落下速度、旋回角速度などを測定した。測定値は先行研究と定性的に一致することが確認されたが、定量的には差異が見られたので、自動追尾機能を有する高解像度カメラを導入し、落下する翼果の測定精度を向上させた。翼果の個体差や落下初期条件の影響を考慮し、その差異の原因について検討している。
CTスキャンにより翼果の形態と質量分布を取得できるものと期待していたが、極薄翼部の検出が容易でないため、翼果の3Dモデル化が難航している。CTスキャナの測定パラメータ最適化および画像処理方法の修正を検討しているところである。
並行して、前倒しで、簡略化された翼果モデルの終端旋回運動に対するCFD解析および安定性を説明する数理モデルの構築を開始した。

今後の研究の推進方策

予定通り、初年度確立した実験手法により、単一翼果の落下特性に対する個体依存性を調べる。
次に、簡略化された翼果モデルの終端旋回落下運動とその安定性を調べる数理モデルを構築し、種子間の弱い流体力学的相互作用について検討する。
加えて、CTスキャナ等を活用し、翼果の形状および質量分布に関する3次元情報を取得する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Aston University(英国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Transient Dynamics in Counter-Rotating Stratified Taylor-Couette Flow2023

    • 著者名/発表者名
      Godwin Larry, Trevelyan Philip, Akinaga Takeshi, Generalis Sotos
    • 雑誌名

      Mathematics

      巻: 11 号: 14 ページ: 3250-3250

    • DOI

      10.3390/math11143250

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Pattern Competition for the Sequential Bifurcations Approach (SBA) to Turbulence in the Co-Rotating Taylor-Couette System: Quinary States2023

    • 著者名/発表者名
      Akinaga T., Generalis S. C., Aifantis E. C.
    • 雑誌名

      Lobachevskii Journal of Mathematics

      巻: 44 号: 6 ページ: 2202-2212

    • DOI

      10.1134/s1995080223060045

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Pattern Competition in the Sequential Bifurcation Approach to Turbulence in Homogeneously Heated Inclined Fluid and Solid Layers2023

    • 著者名/発表者名
      Akinaga T., Generalis S. C., Aifantis E. C.
    • 雑誌名

      Lobachevskii Journal of Mathematics

      巻: 44 号: 6 ページ: 2213-2221

    • DOI

      10.1134/s1995080223060057

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 矩形管内層流に浮遊する剛体球粒子に働く揚力と粒子集束位置の数値解析2023

    • 著者名/発表者名
      政拓馬、山下博士、秋永剛、板野智昭、関眞佐子
    • 学会等名
      日本流体力学会 年会2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 矩形管ながれによる慣性粒子の分離2023

    • 著者名/発表者名
      秋永剛、山下博士、関眞佐子
    • 学会等名
      日本流体力学会 年会2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 多孔板に吸い込まれる流れの特性2023

    • 著者名/発表者名
      柏倉拓斗、秋永剛
    • 学会等名
      日本流体力学会 年会2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Effect of particle size on inertial particle focusing in square duct flows2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Yamashita, Takeshi Akinaga, Masako Sugihara-Seki
    • 学会等名
      The 11th International Conference on Multiphase Flow
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [備考] ATM2BT

    • URL

      https://eu-atm2bt-project.org

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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