研究課題/領域番号 |
23K03345
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
野瀬 真規子 (野々村真規子) 日本大学, 生産工学部, 教授 (20333320)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | フェーズフィールド法 / 細胞集団 / 細胞運動 / 形態形成 / 内部構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、細胞形状のフェーズフィールドモデルを細胞の内部構造や細胞膜での分子局在などを包括的に扱えるよう拡張することを目的とした基盤研究である。フェーズフィールドで表した細胞が移動・変形する場合、細胞内部の座標系を決めることは難しく、このことが、フェーズフィールドモデルに核などの内部構造や分子局在を入れる上で一番の問題となる。実験データとの比較・検証を行いながらこの問題解決できる数理モデルの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
細胞運動で重要となるアクチンフィラメントの重合などの小さなスケールでの現象と、形態形成のような複数の細胞が関与する現象、という2つの異なる時空間スケールの現象を結びつけて議論できる数理的ツールは、細胞生物学や医学研究において非常に有益であると考えている。本研究では、細胞内部の構造を含む数理モデルの構築を通じて、そのようなツールの開発の一助を担うことを目指している。 これまで考案してきたフェーズフィールド法の多細胞モデルは、細胞輪郭を表現するのに適しているという利点をもつ一方で、変形・運動する細胞内部の相対位置を記述するのには適していないという問題があった。そこで、内部の相対位置を決定する手法として、本年度は当初計画のいくつかの手法を実装した。数値計算を行った結果、内部構造まで考慮した数理モデリングの方向性を見出すことができた。 また、上記の数理的モデルの構築と並行して、実験画像の機械学習によって、細胞輪郭だけでなく核などの内部構造の位置情報も抽出する試みを行った。まだ改良の余地はあるものの、ある程度の精度で情報を取得できることが確認できている。実験画像を精査し、機械学習の精度も高めることで、数理モデルの検証に用いていく予定である。 今後の展望としては、さらなる実験画像の解析を進めると共に、未実装の手法の精度を実験データと併せて検討して、細胞挙動を説明するための適切な方法を見出していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最適な検証用実験データが手に入らなかったため、当初の予定を一部入れ替え、基本的な手法の実装とその関連研究を重点的に進めた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度はモデリングに必要となるいくつかの手法を実装し、それぞれの利点と欠点について理解を深めた。来年度はこれらの知見をもとに、細胞の内部構造を取り入れたモデリングを目指す。
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