研究課題
基盤研究(C)
階層性の高い系に現れる自己組織化現象の仕組みを理解することは、生命現象のメカニズム解明につながる重要な課題である。すでに数理的には、内部自由度を持つ運動素子の集団には多様で複雑な時空間構造が現れることが示されている。これは内部自由度を持たない系と大きく異なる。そのような違いが現れる普遍的な仕組みを解明するために、物理化学的な実験系を用いて再現することは重要である。そこで本研究課題では、自発的に運動する油中水滴の内部に化学振動反応を導入することで高い階層性を持つモデル実験系を構築し、液滴間の化学的や力学的な相互作用を計測し、その集団に現れる時空間構造およびその形成機構を明らかにする。