研究課題/領域番号 |
23K03362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
中村 浩章 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (30311210)
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研究分担者 |
澤田 圭司 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (40262688)
齋藤 誠紀 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (40725024)
森高 外征雄 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (20554372)
井戸 毅 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (50332185)
田村 祐一 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (50311212)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 分子動力学法 / 空孔 / 水素吸蔵 / タングステン / 水素リサイクリング / 中性粒子輸送コード / プラズマ壁相互作用 / 中性粒子輸送 / 衝突輻射モデル / 分子動力学 / 非接触プラズマ |
研究開始時の研究の概要 |
非接触プラズマの生成には周辺領域での中性粒子輸送が影響する。また、炉心プラズマを高い効率で閉じ込め状態(Hモード)を維持するためには、壁からの中性粒子発生を低減する必要がある。非接触プラズマ・Hモードの両立条件を求める手法は未だ確立されていない。本研究では、(1)衝突輻射モデルを組み込んだ中性粒子輸送コード(2)分子動力学法と熱伝導方程式のハイブリッドコード、(3)ジャイロ運動論PICコードの改良も重ねてきた。これら3つのコードを紡ぎあい「壁の水素リサイクリング状態と分子の振動回転状態が、周辺の非接触プラズマ/炉心プラズマ閉じ込めにどのような影響を与えるか?」という課題に取り組む
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研究実績の概要 |
本年度は、分子動力学+中性粒子輸送+プラズマの各シミュレーションの連携を引き続き行った。特に、プラズマについては、XGCコードを九大QUESTに適応を行うことをすることができた。さらに、分子動力学法のシュミュレーションをもちいたタングステンの水素リサイクリングモデルの開発を行った。 以下このタングステンの分子動力学を説明する。タングステンは融点が高く、スパッタリング収率が低く、水素同位体の蓄積も少ないため、核融合炉のプラズマ対向材料として使用されている。しかし、核融合炉環境では、タングステンにD-T核融合反応による中性子と水素同位体が照射され、タングステン中に空孔などの欠陥が形成される。これまでの研究では、水素原子が空孔に捕獲されると、捕獲されない場合に比べて空孔の合体が起こりやすくなることが実験的に示されていた。そこで、本研究では、原子スケールの現象としての空孔合体のメカニズムを明らかにするために、LAMMPSを用いた分子動力学シミュレーションにより、タングステン結晶中の空孔の挙動を解析した。具体的には、タングステン結晶中に2つの空孔を設定し、空孔間の相互作用を解析した。タングステン結晶中の空孔に捕捉された水素原子が空孔間の相互作用に与える影響も解析した。空孔内の水素原子の数を変え、温度を変えてシミュレーションを行った。シミュレーションの結果、空孔間のタングステン原子の移動の結果、2つの空孔が合体して1つの大きな空孔を形成することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タングステンを分子動力学法でシミュレートするノウハウを蓄積することができた。本手法は、一連のコードの連携の基盤となるため、土台を固めることができたと言える。さらに、XGCでQUEST(九大)のプラズマ平衡配位を扱うためのスタートを行うことができた。各パーツを開発することができたため、今後はこれらの連携を進めたい。
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今後の研究の推進方策 |
分子動力学法での材料シミュレーション、XGCによるプラズマシミュレーション、中性粒子輸送による原型炉を対象にしたシミュレーションの各々を独立に改良を進めることができている。次年度以降は、これらの連携を進めるとともに、材料の水素リサイクリングモデルのデータを構築するための手法の自動化を目指し、データベース構築を進める必要があると考える。
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