研究課題/領域番号 |
23K03370
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14030:プラズマ応用科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高橋 栄一 日本大学, 生産工学部, 教授 (90357369)
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研究分担者 |
秋濱 一弘 日本大学, 生産工学部, 教授 (30394547)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 水素 / スパーク放電 / プラズマ / 炭化水素 |
研究開始時の研究の概要 |
非熱プラズマを用いて天然ガスなどの炭化水素を高効率に固体状炭素と水素に分解して,水素を生成するために,本研究ではナノ秒スパーク放電装置を構築し,それによって形成されたプラズマ反応場に人為的にすす等の炭素粒子を共存させることによる分解反応への効果を明らかにすることを目的とする.具体的にはスパーク放電による炭化水素ガス分解生成物をガスクロマトグラフィー等で計測しながら,反応場にすす等炭素粒子等を導入することによる変化を評価する.すす粒子そのものの評価にはレーザー誘起白熱法やすす粒子粒径分布計測装置を用いる.0次元反応モデルの構築を併せて行い,将来の水素生成システムを検討する.
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研究実績の概要 |
近年,低コストな水素の生成方法としてメタンを水素と固体炭素に分解する技術が注目されている.既にアーク放電を用いた方法は実用化に近づきつつあるが,それをよりコンパクト,且つ高効率にするために本研究ではスパーク放電によるメタン分解反応場にススを共存させることでより高効率な技術とすることを目指している.ススは放電場においては電極の短絡などを発生させるため抑制が指向されてきたが,分解過程で発生する安定なアセチレンと反応させ反応を完結させることができるため,本研究では積極的な利用を目指している. 研究実施期間の初年度に当たり,プロトタイプとなる放電リアクター,質量流量コントローラーを用いたメタンガスの導入設備,及びガスクロマトグラフィー分析装置を導入し,システムを構築,予備的な実験を開始した.今年度はメタンガス中で放電を発生させることに伴う,水素の発生とメタンガス濃度の減少を確認することを目標とし,実際に数10%の濃度の水素の発生を得ることができた.また,生成ガス中のC2,C3の炭化水素濃度の評価も実施したところ,アセチレン濃度が既報と比較して相対的に少ないことが明らかとなった.本実験では放電領域におけるススの発生,蓄積は積極的に排除していないことから,放電とススの相互作用が期待されるが,それがアセチレンとスス粒子との反応を促進し,濃度の低下につながってる可能性があると考えている. 次年度はそのメカニズムの検証のために,放電領域に共存するススの評価を実施する.具体的には,発生したススの粒径分布評価,回収したススの特性のXRD等による評価,並びに放電発光スペクトル計測を実施することで放電中の化学種の評価を実施する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プロトタイプとなる実験装置,および計測装置の導入を完了し,実験に着手することができた.水素の発生を確認し,発生化学種の評価を実施することができた.
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今後の研究の推進方策 |
仮説となるススの共存効果を示す各種依存性の取得を実施する.また,放電発光スペクトルからどの様な化学種が存在しているのかを明らかにするとともに,発生したススの粒径分布,ススそのものをXRD等で評価することで,メカニズムの解明を目指す.
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