研究課題
基盤研究(C)
宇宙の物質・反物質非対称性を説明する試みの一つとして、電弱スケールにおける強い一次相転移を用いた電弱バリオン数生成機構が知られている。標準模型では一次相転移は実現しないが、拡張模型では実現し、この機構が働く可能性が考えられる。一方、バリオン数生成にはCP対称性(C:荷電変換の不変性、P:パリティ変換不変性)の破れも必要であるが、その場合のシグナルとなる電気双極子能率は観測されていない。そこで本研究では、電弱スケールではCPが顕著に破れているが、現在の宇宙では電気双極子能率が十分抑制されるような拡張模型における相転移シナリオを提案し、物質・反物質非対称性の問題解決を試みる。