研究課題/領域番号 |
23K03404
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
隅野 行成 東北大学, 理学研究科, 教授 (80260412)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | リノーマロン / 摂動QCD / クォーコニウム / ループ計算 / 基礎物理定数 |
研究開始時の研究の概要 |
QCDの高精度の理論計算のための理論的枠組の完成と現象論的な応用を目的として、以下の研究を行なう。 - OPEとリノーマロン除去によって、QCDの理論計算をwell-defined、かつ高精度化するための強力な理論的な枠組を完成させる。それを用いて様々な物理量を高精度で計算し、特に基礎物理定数を高精度で決定する。 具体的には、現在までに我々が開発したリノーマロンを除去法を、OPE全体からリノーマロンを除く完成形にして、現実の物理量の解析に有用な理論形式を構築・整備する。そして重要な物理量に適用して、mc, mb, mt, |Vcb|, |Vcs|, αs などの基礎物理定数を高精度で定める。
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研究実績の概要 |
2023年度は3つのテーマに取り組んだ。 1つ目は、DSRS法を完成させ、Bメソンの崩壊幅の計算に適用して|Vcb|を決定した。結果をJHEP及びPhys.Rev.に発表した。 2つ目は、クォーコニウム系における高次リノーマロンの相殺について調べた。以前よりleading orderでO(Λ_QCD)のリノーマロン相殺が、クォークpole質量とQCDポテンシャルの間で起こっていることが知られており、そのことは基礎物理定数の精密決定において重要な役割を果たして来た。今回初めてO(Λ_QCD^2/m)のリノーマロン相殺が起こっている兆候を見つけた。以下の3つの解析を行った。(a)FTRS法、及びDSRS法のLeading log近似で、1/(mr^2)ポテンシャルにO(Λ_QCD^2/m)のリノーマロンが含まれることを示した。(b)Fixed-orderの摂動級数の解析で、この高次リノーマロン相殺を取り入れると、取り入れない場合よりも摂動級数の収束性が上がることを示した。(c)FTRS/DSRS法によるpole質量と1/(mr^2)ポテンシャルの各々のリノーマロンの収束性の評価は、現状の最初の2項では難しいことが分かった。一方で、それらの間には部分的な相殺が起こっていることが見て取れた。これらの結果は、両者にリノーマロンが含まれていて、かつそれらが相殺しているという予想と無矛盾であり、更に(a)(b)はその予想を強く示唆していると解釈できる。このような解析は高次リノーマロンについて初めてのものであり、この性質を用いて物理量の高精度測定に応用できることが期待される。この解析結果はPhysics Lettersに発表済みである。 3つ目は、クォーコニウム系のハミルトニアンに対する2ループ補正の計算である。順調に計算が進んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リノーマロン相殺とOPEを用いた基礎物理定数の高精度決定に向けて順調に成果を上げているため。
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今後の研究の推進方策 |
クォーコニウム系のハミルトニアンに対する2ループ補正の計算を完成させる。またその結果を用いてクォーコニウム系の超微細構造に対する高次補正を計算する。既にハミルトニアンの計算の方針は確定して順調に計算は進んでいる。現在はnon-annihilation channelの計算を行なっているが、終了後にはannihilation channelの計算を行なう。同じ方針で計算できるはずである。 また、国際会議に参加して途中経過を発表するとともに、最近の計算技術の進展を習得して我々の計算に応用することを模索する。
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