研究課題/領域番号 |
23K03405
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
伊敷 吾郎 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (50710761)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 超弦理論 / 行列模型 / 非可換幾何 |
研究開始時の研究の概要 |
量子重力理論の有力な候補である超弦理論に対して、その非摂動的定式化を与えると予想されている行列模型と呼ばれる理論についての研究を行う。本研究ではBootstrap法を用いた行列模型の効率の良い解析方法の開発を行う。またそれと並行して、行列の自由度によって記述される非可換幾何の定式化を行い、微分幾何を用いた超弦理論の従来の定式化と行列模型の間の関係を明らかにする。
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研究実績の概要 |
超弦理論の非摂動的定式化を与えると期待されている行列模型の解析を行った。行列模型が弦理論の定式化を与えているかどうかを示すためには(1)行列模型の解析方法を確立すること(2)行列変数と弦理論の幾何学との間の関係を理解すること、の2点がまず重要となる。本研究の目標は、行列模型の新しい解析方法を確立することおよび、模型の幾何学的な理解を得ることであり、初年度となる本年度はまず[A]近年注目されているbootstrap法が、行列模型に適用可能か[B]行列模型が記述し得る幾何学的対象を拡張できるか、という二つの問題を考えた。[A]の研究では残念ながら否定的な結論を得た。本研究ではbootstap法と局所化という二つの方法を併用し、計算効率が向上するかどうかを調べたが、bootstrap法は一般のエネルギースケールの物理量を扱うのに対し、局所化は特定の対称性(超対称性)を保った比較的低いエネルギースケールの物理量を扱うものであるため、これら二つの方法は相性が悪く、併用する利点がないことが分かった。また、bootstrap法自体も、可解な模型については有用であるが、本研究で扱うような行列模型においては一般に計算効率が良くないことが分かった。一方、[B]の研究ではゲージ場やフェルミオン場といった素粒子物理学における重要な対象が、行列模型を用いて記述できることが理解できた。本研究では数学分野における量子化の手法を応用し、この理解を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Bootstrap法についての研究では否定的な結果が出たが、想定の範囲である。一方で行列模型の幾何学についての研究では新しい物理的対象の記述法が理解できており、当初の計画以上に進展している。総合しておおむね順調であると言える。
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今後の研究の推進方策 |
Bootstrap法については効率が非常に悪いことが分かったため、今後は別の解析方法を模索する。近年、Maldacenaらにより行列模型の指数の計算に基づいた散乱振幅の計算方法が提案されており、私の研究している行列模型にもこれが応用可能であるかどうかを調べる予定である。一方、幾何学の研究ではこれまでの方針どおり、さらに広い幾何学(弦の幾何学)が行列模型で記述できるかを調べる予定である。
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