研究課題/領域番号 |
23K03415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 亮介 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (20784268)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アクシオン / 暗黒物質 / 素粒子論 / 宇宙論 |
研究開始時の研究の概要 |
アクシオンは未発見の新しい素粒子であり、暗黒物質の有力な候補でもある。アクシオンが暗黒物質であるかどうかを検証するには、アクシオン暗黒物質を特徴付けるシグナルを見出す必要がある。アクシオン暗黒物質シナリオでは初期宇宙におけるアクシオン場の振る舞いが重要な役割を果たすため、場のダイナミクスに由来する痕跡が現在の宇宙に観測可能な形で残されていることが期待できる。本研究では、初期宇宙におけるアクシオン場のダイナミクスを数値的に解析することにより、アクシオン暗黒物質の存在および初期宇宙におけるアクシオン暗黒物質生成シナリオを解明するための理論的研究を行う。
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研究実績の概要 |
暗黒物質はこの宇宙のエネルギーの約1/4を占める未知の物質である。本研究では、アクシオンと呼ばれる未知の粒子が暗黒物質である可能性に着目し研究した。アクシオン暗黒物質シナリオでは、初期宇宙におけるアクシオン場のダイナミクスが重要な鍵を握る。当該年度においては、特に、初期宇宙においてアクシオン場が大きな運動量を持っているシナリオの研究に注力した。このシナリオには、アクシオン場に大きな運動量を与えた機構が必要である。また、具体的な模型を構築することにより、アクシオンだけでなく様々な新粒子が予言される。それらの新粒子の性質や初期宇宙シナリオにおける役割を調べ、現在までに得られている素粒子実験の結果や確立している宇宙の歴史と矛盾していないかを調べる必要がある。このように、現在までに得られている素粒子論や宇宙論の知見と整合性のある初期宇宙シナリオを探すため、具体的な素粒子模型を構築し数値解析を行った。これにより、矛盾のないシナリオが成立する模型とパラメーター領域を見出した。さらにアクシオン場が大きな運動量を持っているシナリオでは、アクシオン場の空間的揺らぎが増幅され特徴的な揺らぎのスペクトルが現れ得ることが指摘されていたが、そのような揺らぎの増幅が具体的なアクシオン暗黒物質シナリオで発生するパラメーターを見出した。このように、具体的な素粒子模型および初期宇宙シナリオに基づき、アクシオン場の揺らぎの増幅現象まで考慮にいれたアクシオン暗黒物質シナリオの解析を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の解析結果について国内外で数回研究発表を行った。また、研究成果をまとめた論文を執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果をまとめた論文を発表したのち、さらにアクシオン暗黒物質シナリオについての解析を行う。特に、アクシオン場の空間的な揺らぎに注目し、アクシオン暗黒物質を検出するための方策や新たな暗黒物質シナリオについて議論する。
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