研究課題/領域番号 |
23K03427
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岡 眞 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 客員主管研究員 (60144606)
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研究分担者 |
慈道 大介 東京工業大学, 理学院, 教授 (30402811)
WANG GuangJuan 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (30976311)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 量子色力学 / クォーク模型 / 閉じ込め / エキゾティックハドロン / カラー閉込め / ヘビークォーク / テトラクォーク |
研究開始時の研究の概要 |
クォークを4個以上含むマルチクォークハドロンにおけるカラー閉込めの機構の不定性を解決するために、量子色力学の原則に基づく新しいクォーク閉込め描像を提案し、主にヘビークォーク(チャームやボトム)を含むテトラクォークおよびペンタクォーク系に適用することで、その性質を明らかにするとともに、様々なマルチクォーク系が持つ性質を統一的に理解するスキームを与えることを目標とする。そのために、通常のメソンやバリオンを良く再現するハミルトニアンをテトラクォーク、ペンタクォーク系に適用して厳密な解を求める。多くの共鳴状態を扱うために、複素スケーリング法を取り入れた変分法を用いる。
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研究実績の概要 |
クォークを4個以上含むマルチクォークハドロンにおけるカラー閉込めの機構には未解明の部分があり、不定性がある。この不定性を解決するために、我々は量子色力学の原則に基づくストリングタイプの新しいクォーク閉込め描像を提案している。ストリングは線型ポテンシャルで表すが、異なるトポロジーのストリングの組み方は独立な自由度として扱うのが新しい描像の鍵である。この閉込め機構を様々なマルチクォーク系に適用して検証することで、それらの性質を統一的に理解するスキームを与えることを目標とする。 まず最初に、テトラチャーム系に適用する。テトラチャームは2個のチャームと2個の反チャームクォークからなるカラー1重項状態で、CERNのLHC加速器による実験でいくつかの共鳴状態があることがわかってきた。これらの状態と未発見の束縛状態を探索することが重要な課題となっている。新しい閉込め機構をテトラチャーム系へ適用する場合には、4個のクォークがすべて閉込めストリングで繋がれたHidden-Color(HC)の閉じ込め状態が新しく独立な自由度として現れることがわかる。この新しいHC自由度の役割と定性的な性質を議論した。さらに、現実のテトラチャームの共鳴状態を求めるために、複素スケーリング法を取り入れた変分法によって4体のシュレディンガー方程式を解いて、$J^{PC}=0^{++}$, $1^{+-}$, $2^{++}$の各状態について束縛状態と共鳴状態を求めた。これをLHCによって報告されている共鳴状態と比較して検証を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関連論文をレフェリー付き論文(Physical Review D letterセクション)に発表したほか、国際会議の招待講演も行った。
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今後の研究の推進方策 |
4体クォーク系のより現実的な系への適用の数値計算を行って、実験データとの詳細な解析を進める。また、5体系以上への拡張のためのじゅんびを進めていて、実際の計算へ進める。
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