研究課題/領域番号 |
23K03442
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
西田 昌平 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20370075)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | フレーバー物理 / ボトモニウム / 新物理 / ダークマター / レプトンフレーバーの破れ / 加速器 / 中間子 |
研究開始時の研究の概要 |
素粒子物理学の現在の最大の課題は標準模型を超えた新物理の解明であり、荷電レプトン数を保存しない崩壊過程の探索やダークマターの解明に向けた様々な実験が行われている。KEKの電子陽電子衝突型加速器実験Belle IIもその一つで、大量のB中間子を生成し、その崩壊の研究で新物理を探索する。本研究ではBelle IIの衝突エネルギーを変更し、Υ(2,3S)共鳴状態を作るエネルギーでの運転を提案する。これにより、Υ(2,3S)の崩壊から荷電レプトン非保存やダークマターの探索が可能となる。
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研究実績の概要 |
Belle, Belle II 実験は、電子陽電子衝突型加速器KEKB, SuperKEKBをΥ(4S)共鳴のエネルギーで衝突させて、大量のB中間子を生成させる実験であるが、本研究では、Υ(4S)共鳴以外のΥ(2S)などのエネルギーで衝突させ、Υ(nS) (n=1,2,3) の崩壊を通じて、標準模型を超える新物理の探索を行う。すでに運転が終了しているBelleでは25 /fb のΥ(2S)でのデータが収集されている一方、Belle IIではΥ(2S)などでのデータ取得はまだ行われていない。 まず、Indian Institute of Technology Hyderabad の学生とともに、Belleで収集した25 /fb のΥ(2S)でのデータを用いて、Υ(2S)→lτ (l=e,μ) の探索を行った。これはレプトンフレーバーの破れを伴う崩壊であり、観測されれば新物理の証拠となる。本研究では、バックグラウンド抑制のための多変量解析を最適化したところ、従来のBaBar実験の結果を上回る感度が出せることがわかり、実データを解析した。実データは解析したところ、Bhabha事象によるバックグラウンドがシミュレーションと一致しないなどの課題が見つかったため、本測定に対する影響を評価するなどした。最終的に、Υ(2S)→lτの信号は得られなかった。トリガー効率の評価など、必要な系統誤差の評価を行いΥ(2S)→lτの分岐比の上限を求めた。この結果は従来の上限値を大きく更新するものであった。結果を論文として投稿した。 今後、Belle IIでのΥ(nS)でのデータ取得を見据え、他の測定モードの研究の検討をはじめようとしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Belle のデータを用いた解析で、結果を出すことができ、論文にも投稿した。この解析では、解析手法の改良により、従来の結果よりも大幅に感度の高い測定を行えたので、大きな成果といえる。この解析に集中した分、Belle II での解析手法、およびΥ(nS)でのデータ取得のための研究、また、Belleでの他の探索モードの研究はほとんど進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
Υ(2S)→lτの解析は完了したので、次の解析モードにとりかかりつつ、Υ(nS)でのデータ取得を提案するための予備的な研究をはじめる。また、Υ(nS)でのデータは、ボトモニウム分光の解析にも有用であり、Belle II でボトモニウム分光学を研究するグループとも協調が必要となる。その一環として、ボトモニウム分光の解析をChulalongkong大の学生と一緒に始めているが、これも進展させる。
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