研究課題/領域番号 |
23K03450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安田 直樹 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (80333277)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 天文学 / 突発天体 / LSST / PFS / 変動天体 / 広域サーベイ |
研究開始時の研究の概要 |
2024年に稼働を開始する究極の地上望遠鏡による光学サーベイであるRubin/LSSTによって検出される突発天体を、8-10m望遠鏡で唯一の広視野ファイバー分光器であるSubaru PFSで観測することで、大規模で無バイアスな突発天体のレガシー分光データセットを構築する。得られたデータセットは突発天体の種族の種類や発生頻度などの統計的な研究に用いるとともに、撮像データ(多色光度曲線)のみから突発天体の種族を判別する手法の教師データとして用いることで、その手法を確立し、Ia型超新星を使った宇宙論のためのIa型超新星の効率的な選択を可能にする。
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研究実績の概要 |
本研究では、Rubin/LSST(Legacy Survey for Space and Time)で発見される銀河系外の突発天体をSubaru/PFS(Prime Focus Spectrograph)で分光観測して、大規模な突発天体カタログを作成し、Ia型超新星を用いた宇宙論の研究、突発天体の分類などの研究を行うものである。 申請段階では、LSSTは2024年夏ごろから開始し、2023年秋には小型カメラでのテスト観測を開始する予定であったが、その後の計画見直しで、本観測の開始は2025年夏ごろから、小型カメラでのテスト観測は2024年の夏頃から開始する予定になっている。計画見直し後は、望遠鏡、観測装置、データ解析ソフトウェアなどは順調に開発が進んでいる。一方、PFSは2025年の初頭から一般共同利用観測を開始する予定で開発が進んでいる。 PFSでLSSTで見つかった突発天体を効率的に観測するには、LSSTの突発天体アラートから観測可能な天体を効率よく選択する必要がある。2023年度は、LSSTの突発天体アラートを世界に発信するCommunity Brokerをいくつか調査し、それらから突発天体の情報を取得するプログラムを作成した。現在利用できるデータはZTF(Zwicky Transient Facility)のデータであり、突発天体の検出頻度はLSSTに比べるとかなり低いため、実際のLSSTの観測で十分な解析速度が得られるかどうかまでは確認できていない。また、新規にCommunity Brokerに登録されるデータを効率的に取得する方法を確立するにはCommunity Broker側の協力が必要であることも分かった。さらに、LSST関連のミーティングに参加したり、訪日した関連研究者などとCommunity Brokerとの効率的な連携方法について議論を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で利用を想定している望遠鏡、観測装置の開発の遅れなどにより、実データを使った検証は1年ほど遅れる見込みであるが、その間はシミュレーションデータなどを用いて実際の観測が始まったらすぐに対応できるように準備する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の依存する観測装置などの開発にやや遅れが見られるが、当初の計画通り関連ソフトウェアの開発、観測計画の策定などを行っていく予定である。さらに遅れる可能性が出てきた場合には、シミュレーションデータなども使って、観測が開始されればすぐに対応できるように必要な準備を進めておく予定である。 また、Community Brokerとの効率的な連携がPFSでの観測ターゲットを選択する上で重要であるので、我々の目的に特化した機能を実装してもらうことも念頭に必要な機能の洗い出しを行ったうえで、先方とも議論していきたい。
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