研究課題/領域番号 |
23K03451
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 尚孝 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 客員准科学研究員 (20722804)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 暗黒エネルギー / 超新星 / 標準星 / 観測的宇宙論 / 宇宙望遠鏡 / 白色矮星 / 宇宙定数 / 宇宙論パラメータ / すばる望遠鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、すばる望遠鏡 Hyper-Suprime Cam (HSC)で観測されたIa型超新星のデータを解析し、暗黒エネルギーの最も精密な測定を行う。特に暗黒エネルギー状態方程式パラメータの感度が高い、遠方超新星をハッブル宇宙望遠鏡で観測し、国際チームと連携し大型地上望遠鏡(Subaru,Keck, Gemini, VLT, GTC, AAT, DESI)による母銀河の分光追跡観測データを組み合わせる。系統誤差の縮減も行う。これらの解析を統合し、暗黒エネルギーが定数なのか、時間と共に変化するのかという根源的な問いを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、遠方超新星の精密観測を行い、宇宙を加速膨張させている謎の暗黒エネルギーの正体に迫る観測データの解析を行っている。米国ハワイ島、マウナケア山頂にあるすばる望遠鏡に搭載された広視野撮像装置(HSC)を使い、遠方宇宙の超新星を発見し、最遠方の超新星は赤外領域で最も明るくなるため、ハッブル宇宙望遠鏡を使い、地上からでは観測が困難な赤外線での精密測光追跡観測を行った。
最も時間を要したのはその後の母銀河の分光観測であり、共同研究者の協力により、世界中の大型望遠鏡、Keck, VLT, Gemini, AAT, GTC, DESIを使って分光データを収集した。超新星の較正には、母銀河の質量も依存することが知られており、母銀河の測光データを元に、質量と星生成率を導き出した。
また、精密観測を実現させるためには、測光の基礎となる標準星の精度を上げる必要があり、これらの観測も実施した。解析に必要なデータはほぼ揃ったので、現在は解析ソフトウェアの開発に取り組んでいる。 同時にこれまで蓄積されたデータを解析し、宇宙膨張が従来考えられてきた宇宙定数によるものではない証拠を得ることができた。我々のデータは、この発見に決定打を与えることができると考えており、他の観測手段とも連携して解析を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年9月に予定されていたすばる望遠鏡による分光観測が、直前の事故による鏡の損傷で中止となり、すばる望遠鏡の運用が半年間止まってしまったので、この間観測を行うことができなかった。また、他の観測も臨時観測(ToO)を優先させるため、望遠鏡による観測機会を延期されてしまった為、当初の予定よりも遅れが生じている。また、個人的にも2023年夏に新型コロナに感染してしまい、後遺症で肺炎を患ってしまった為、思うように進められない時期が続いた為。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は予定されている分光観測を全て完遂し、分光データを取りまとめ、母銀河の観測データカタログの完成を目指す。また、共同研究者と連携し、測光データを同じ基準の標準星を使って系統誤差を縮減させるプログラムを実行する。さらに、他の赤方偏移領域のデータを持っている共同研究者と連携し、宇宙の膨張史が、減速から加速へ変わっていく様子を正確に捉える解析を目指す。
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