研究課題/領域番号 |
23K03469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 特定非営利活動法人日本スペースガード協会(スペースガード研究センター) |
研究代表者 |
奥村 真一郎 特定非営利活動法人日本スペースガード協会(スペースガード研究センター), スペースガード部門, 主任研究員 (40344270)
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研究分担者 |
柳沢 俊史 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主任研究開発員 (20371106)
大澤 亮 国立天文台, JASMINEプロジェクト, 助教 (40748696)
酒向 重行 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90533563)
吉田 二美 産業医科大学, 医学部, 准教授 (20399306)
吉川 真 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (70311173)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 地球接近天体 / 太陽系小天体 / 高速移動天体 / 重ね合わせ法 / 高速CMOSカメラ / 広視野高速CMOSカメラ / 始原天体 |
研究開始時の研究の概要 |
地球に近づく天体、特に小さい直径数10m以下の小天体は母天体であるメインベルトの小惑星が破壊されてできた衝突破片と考えられるが、このような小天体は発見数が少なくまた詳細に観測できる機会が少ないため、十分な調査がなされていない。 そこで、超広視野CMOSカメラと移動天体検出技術を組み合わせる事により高速移動する地球接近小天体を数多く発見、サンプルを増やして観測の機会を増やし、大望遠鏡・中型望遠鏡による物理観測を実施する。 起源や進化過程が異なる多くの天体の観測的特徴を統計的に調査することで、その力学的特性や鉱物学的特性と年齢や起源との関連を明らかにし、その母天体や始原天体の組成の解明に迫る。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、起源や進化過程が異なる多くの微小天体の観測的特徴を調査する事によりその力学的特性や鉱物学的特性と年齢・起源との関連を明らかにし、微小天体の母天体やさらなる始原天体の組成の解明に迫る事である。本研究遂行に向けた第一段階は微小天体の観測機会を増やすために地球に接近する微小な小惑星を多く発見することである。その後第二段階として微小な地球接近小惑星の物理観測を実施する。 先行研究も含め、第一段階の研究に関してこれまでの実績としては、JAXAで開発された高速移動天体検出のための画像処理技術である「重ね合わせ法」を東京大学木曽観測所の高速CMOSカメラ「Tomo-e Gozen」の観測データに適用するためのシステム構築を進めてきた。重ね合わせ処理専用のFPGA搭載PCを木曽観測所に導入、突発天体サーベイとしてTomo-e Gozenカメラにより毎晩取得している2Hzの動画観測データに重ね合わせ法を適用して微小天体を検出し、美星スペースガードセンターにて追跡観測を実施し軌道を確定する試験を2021年より実施してきた。また並行してTomo-e Gozenカメラによる2Hzの動画データから直接移動天体を検出する試みも研究協力者を中心に進められ、微小な地球接近小惑星をこれまでに50個以上発見している。 2023年度はこのシステムについて、処理能力を高めて全データのリアルタイム解析を可能にするために重ね合わせ処理専用のFPGA搭載PCを高性能のGPUを備えたPCにリプレースする作業を進めてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は重ね合わせ処理を強化する目的で専用PCをリプレースする作業を進めてきた。しかし年度途中、データの取り込みと一時処理を担っているPCが不具合を起こし、その修復に時間を費やしてしまったため、予定していたリプレースの作業が年度内に終了していない。
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今後の研究の推進方策 |
想定外であったPC不具合の修復作業を優先して遂行し、その後重ね合わせ処理専用PCのリプレースを実施し、処理速度を改善する。このリプレースによりTomo-e Gozenカメラによるデータ排出レートに対してほぼリアルタイムで重ね合わせの処理ができる体制を整える。美星スペースガードセンターの望遠鏡を用いた追跡観測体制も強化し、特に多くの移動天体候補から目的の天体を抽出するプログラムの構築が鍵となることが予想されるため、この部分に注力する。また、研究分担者の協力を仰ぎながら、本研究の第二段階である物理観測の体制も早急に整えてゆく予定である。
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