研究課題/領域番号 |
23K03483
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
門野 敏彦 産業医科大学, 医学部, 教授 (60359198)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | impact / hollow projectile / ejecta pattern / planetary exploration / sampling method / 衝突 / 小惑星探査 / 放出物 |
研究開始時の研究の概要 |
「中空」(殻状または内部に空隙を含む構造を持つ)の衝突体を使った室内実験では,従来のクレーター形成実験では見られない標的表面に対して垂直に飛び出す放出物が観測されている.本研究では,中空衝突体を使ってクレーター形成実験を行い,衝突体の形状と衝突速度,衝突角度,標的を構成する粒子のサイズなどをパラメータとして垂直に飛び出す放出物の速度と質量を求め,中空(殻状の構造を持つ)衝突体によって特異な放出物分布が形成されるメカニズムの解明を目指す.
|
研究実績の概要 |
Impact experiments in space have been conducted in planetary exploration, using hollow or internally structured projectiles. In laboratory experiments using hollow projectiles conducted to investigate the differences in crater and ejecta from the case of solid projectiles, a plume perpendicular to the target surface has been observed, which has not in conventional cratering experiments using solid projectiles. We conducted crater formation experiments using hollow resin projectiles to understand the mechanism through which vertical plumes form in the case of hollow projectiles. We examined the generation of a vertical plume as a function of the impact velocity, vimp. We found that (i) no vertical plume occurs at vimp < 200 m/s, (ii) the cases with or without a vertical plume are mixed at 200 < vimp < 350 m/s, (iii) no vertical plume occurs at 350 < vimp < 800 m/s, and (iv) a vertical plume occurs at 2 < vimp < 3 km/s. We qualitatively discussed the generation mechanism of the vertical plume using the results of recovered projectiles. Depending on vimp, an empty hole in which there is no projectile materials can be opened along the central axis, resulting in the generation of a vertical plume.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は,応募者の所属機関が所有する高頻度で実験可能な口径10 mmの加速装置(ガス銃)を用い,市販の外径10 mm内径9 mmのポリスチレン球を中空衝突体として衝突速度100 m/sから500m/sまでの範囲で衝突実験を行うことができた.所属機関に既存の高速カメラを使った計測を行い,垂直プリュームの有無を確認して,その速度も解析することができた.垂直プリュームが発生する衝突速度範囲と回収衝突体の破片の様子から,垂直プリュームの発生過程についての理解が進んだ. このように,まず中空衝突体を使った実験で垂直プリュームの発生過程についての知見が得られたことから,おおむね順調に進展していると言うことができる.
|
今後の研究の推進方策 |
これまでに中空球を使った衝突実験から垂直プリュームの発生過程についての知見が得られた.これをふまえ,今後は加工された中空球や別の形状の衝突体を用いて検証を行う. 現在の衝突実験装置では球と円柱以外の任意の形状の衝突体を加速することができない.このためにはサボを使う方法(衝突体をサボに装着し,サボを加速,衝突前にサボを分離し衝突体のみ標的に衝突させる)が一般的であるが現有の真空チャンバーではサボを使うことができない.今後はサボ使用可能な真空チャンバーによる多様な形状の衝突体を使った衝突実験を行うことを考えている. また,実験では垂直プリュームの質量の計測ができていない.この点を補うため数値計算の導入も検討したい.様々な形状の衝突体に対する放出物のパターンを調べ,垂直プリュームが発生する条件の精度を上げ垂直プリュームの質量を求める. 実験と数値計算での放出物パターンの比較から,より効率よく標的物質を放出させる形状や衝突条件を見いだし,惑星探査でのサンプラー開発仁応用することを目指す.
|