研究課題/領域番号 |
23K03484
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 特定非営利活動法人日本スペースガード協会(スペースガード研究センター) |
研究代表者 |
黒田 大介 特定非営利活動法人日本スペースガード協会(スペースガード研究センター), 地球接近天体部門, 主任研究員 (30435507)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 小惑星 / 直線偏光度 / 偏光度測定 / 隕石 |
研究開始時の研究の概要 |
この 8 年間に、小惑星の偏光撮像観測において、45%(従来の最大値の1.5倍に相当)を超える極めて高い直線偏光度を示す小惑星が 4 天体発見された。小惑星の表層に、未解明の高い偏光度を生じるメカニズムがあることを示唆するが、これまでの知見だけでは定量的な解釈は難しい。 本研究は、小惑星の表層で生じる偏光現象の素過程を調査するため、新規に開発する偏光測定装置で、粒子サイズと空隙構造に注目して隕石などの測定を行う。直線偏光度の増減に関与する素過程を特定・パラメータ化できれば、小惑星の表層状態の調査効率を大幅に向上でき、その形成・進化過程を追跡する研究が、飛躍的に進むと期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究は、「小惑星の偏光撮像観測」で得られた直線偏光度の位相角依存性について、その観測を模して室内で行う「岩石試料の偏光度測定」によって再現し、小惑星の表層で生じる偏光現象について、その素過程を特定することを目的とする。偏光度測定では、偏光に影響する素過程と考える粒子サイズや空隙構造が、どのくらい寄与するのかパラメータ化を狙う。 2023年度は、測定試料に対し光源と検出器のなす角度(すなわち、位相角に相当)を変更しながら、直線偏光度と分光反射率が測定可能な装置の開発を行う計画であった。いずれの検出器も、受光面に光ファイバを用いる装置として設計していた。直線偏光度の測定は、既製品の偏光計と偏光ファイバを組み合わせて行う計画であった。購入前に期待する測定ができない可能性が分かり、リスク回避のために偏光度の測定部分の再設計を行なった。この再設計と物価の高騰により購入品の再選定に時間がかかり、複数の製品の欠品や長納期品が生じた。特定の既製品を利用することで開発リスクを下げるアイディアであったため代替品がなく、納期が今年度中に間に合わず装置の完成に至らなかった。 この間、測定時にヒューマンエラーがないよう測定のシーケンスを自動化する目的で、直動と回転ステージ、光源制御のリモート制御ソフトウェアを開発した。 いくつかの小惑星の偏光観測を予定していたが、使用予定の装置に不具合が発生したことで、観測天体のタイミングが合わず実施できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度中に開発予定であった測定装置がまだ完成していないこと、また、偏光観測も実施できなかったため、「遅れている」と進捗状況を判断した。
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今後の研究の推進方策 |
偏光度測定装置の開発を早期に進めるが、当初計画を半年程度ずらした目標設定に変更する。小惑星の偏光撮像観測は、観測装置の不具合が解消したので、数天体について実施する計画である。
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