研究課題/領域番号 |
23K03511
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
鈴木 拓郎 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (60535524)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 斜面崩壊 / 流動化 / 粒子法 / 地震 / 豪雨 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,豪雨時や地震時に発生した斜面崩壊が土石流化して長距離を流動化する現象のメカニズムを解明し,その評価手法を確立することを目的とする。 崩壊の流動化危険度の評価手法は,崩壊発生時の摩擦力の作用方向の厳密な評価やジャミング転移(あるせん断率(歪速度)以下の状態で,粉体が剛性を獲得するということ)の考え方に基づいて,粒子法(流体を粒子の集合体として扱う計算方法)による手法を開発する。そのために,降雨による水の浸透を想定した水路実験や地震波形を入力条件とした数値実験等を実施し,モデルを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究は斜面崩壊が発生した際の,摩擦力の上部伝播過程を物理的に評価し,斜面崩壊が流動化する現象を粒子法に基づいて再現することを目的としていた。初年度は,斜面崩壊が発生した際の土砂内部におけるクーロン摩擦力の作用方向を,ジャミング転移の考え方に基づいて,流動状態の場合は歪み速度の方向に,剛体状態の場合は流速方向と逆方向に作用させるようにした。流動状態とは斜面崩壊が流体的にふるまう状態であり,剛体状態は斜面崩壊が固体的にふるまう状態で,流動状態と剛体状態の境界条件は歪み速度と土砂粒径の関係に基づき,歪み速度の一定値として与えることとした。このように物理的にモデル化した内容に基づいて,既存の粒子法モデルを改良した数値計算プログラムを作成した。そのプログラムを用いて,急勾配斜面に雨水が浸透した場合を想定したモデル計算を行ったところ,急勾配領域に飽和層が発達したときに,斜面崩壊が発生・流動化し,その後に停止する現象の発生が確認された。また,USGSによる過去に実施された土石流の流動と堆積過程の実験の再現計算を行った。本研究によるモデルを導入しない従来の粒子法で計算した場合は実験結果よりも土砂の到達距離が短くなったが,本研究のモデルを導入した場合には土砂の流下距離が長くなり,実際の実験結果に近づくことが明らかになった。以上により,斜面崩壊の流動化過程を想定したモデル化の基本部分の構築は達成できたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は,2年目に実施する水路実験の条件を効率的に設定するために,モデル構築を先行して実施することになっていた。計画では,モデル構築は基本となる土石流の粒子法モデルをベースに,歪速度の方向に応じた摩擦力を作用させるモデルを構築し,ジャミング転移の考え方に基づいたモデル境界条件の設定方法を検討することとしていた。初年度は,モデルにおける剛体状態・流体状態の境界条件の設定方法を決定したうえで,ジャミング転移に基づいた物理モデルを構築し,数値計算プログラムの動作確認までを行うことができた。以上方から,計画通りに研究が進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は,急勾配水路を用い,水路内に設置した不安定土砂に徐々に水を浸透させた際に生じる崩壊・流動化状況を計測する。側面から高速ビデオカメラで撮影して分析し,土砂内部における複雑な速度分布などを解析し,すべり面からの摩擦力の上部伝播過程を解明する。この結果から,粒子法モデルにおけるジャミング転移の境界条件の設定について更なる検討を行う。また,降雨および地震の事例検証に向けて,データの収集・整理を進める。その後,3年目の最終年度にかけて,降雨時,地震時のそれぞれについて数値計算による事例検証を行い,必要に応じて改良を加え,最終的に斜面崩壊流動化危険度評価手法を確立する。
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