研究課題/領域番号 |
23K03514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人建築研究所 |
研究代表者 |
林田 拓己 国立研究開発法人建築研究所, 国際地震工学センター, 主任研究員 (90649435)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 地震ノイズ / 常時微動 / 地震計 / 人間活動 / 地盤構造探査 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
地震観測の多点化・連続観測化に伴い、人間活動によって生じる「地震ノイズ」の観測データが世界中で蓄積され、数多くの観測事例が報告されている。近年では地震ノイズの利活用に関する研究も進展しているが、「どのような人間活動が、どの周波数帯域で、 どの範囲にまで影響を及ぼすのか?」という点については詳細が不明なままである。本研究では、高密度・長期間に及ぶ地震ノイズ記録が蓄積され、各種人間活動(人流、交通量、地理情報)のビッグデータを有する日本の首都圏に着目し、地震ノイズを構成する主要な人間活動や時空間的な特徴を明らかにする。また、地震観測点周囲の人間活動・環境等の情報を基に地震ノイズの予測を試みる。
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研究実績の概要 |
防災科学技術研究所が首都圏に展開する地震観測網MeSO-netで観測された地震ノイズ記録(169地点)を対象として、対象期間中の1時間毎のパワースペクトル密度を求め、時間/周波数帯域/地点毎のノイズレベルを評価した。また、対象とする観測点周辺の1時間あたりの人流データ、交通量、鉄道運行本数、道路/線路からの距離、周囲の建物・工場施設・森林・道路・水域等の割合、河川・橋梁の有無などといった情報を取りまとめ、地震ノイズおよび周辺環境のビッグデータを整備した。また、地震ノイズへの影響が強いとされる車両交通量と観測記録との相関を調べた。 2020年の新型コロナウイルス感染症拡大による人間活動の変化が首都圏の地震ノイズに与えた影響に関する解析結果を取りまとめ、国際誌および国際学会(口頭発表)、国内学会ニュースレターにおいて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各種データを予定通り取得・整理することができた。その一方で、令和5 年度後半に計画していた地震観測点設置状況の視察および地震ノイズの現地測定については、当初購入を予定していた機材が価格高騰のため購入できず、別のセンサーを用いる費用が生じたことから、センサーの選定および性能検証に時間を要し、予定通りに進まなかった。機材の性能検証が出来次第、現地調査を実施する予定である。地震ノイズのデータベース構築は予定通り進めらたが、データの編集に長大な時間を要したことから、機械学習のテストについては令和6年度に実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
既存の地震観測点を訪問し、設置箇所の土地利用状況・周囲の建物の特徴・騒音・空調や産業機械等の設置状況を観察する。観測点周辺の複数地点に高感度地震計を設置し、1-2日程度地震ノイズおよび周囲の騒音を同時に測定することで、特徴的な地震ノイズを生み出す要因や周波数特性を把握する。令和5年度に取りまとめたデータベースを基に、教師あり機械学習によって人間活動データ・周辺環境データから個々の影響度を把握し、周波数帯毎の地震ノイズの振動レベルを予測するためのモデルを構築する。これらの成果について、国内外の学会で発表する。
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