研究課題/領域番号 |
23K03533
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
新正 裕尚 東京経済大学, 全学共通教育センター, 教授 (60312013)
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研究分担者 |
平田 岳史 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10251612)
折橋 裕二 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (70313046)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 瀬戸内火山岩 / フィリピン海プレート / 高Mg安山岩 / 日本海拡大 / 放射年代測定 / 西南日本弧 / 中新世 / 瀬戸内火山岩類 / 放射年代 |
研究開始時の研究の概要 |
サヌカイトなど特徴的な火山岩を含む瀬戸内火山岩類は日本海形成直後の1500-1400万年前ごろ,西南日本の地下に誕生直後のフィリピン海プレートが沈み込むことで形成された.瀬戸内火山岩類の岩石の年代や化学成分を分析して,マグマの成因と活動時期を詳しく調べる.そして,誕生直後のフィリピン海プレートが沈み込んだことで発生したマグマ活動の分布範囲を明らかにする.その結果は,当時の西南日本周辺のプレート配置の状況を復元するための重要な情報をもたらす.
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研究実績の概要 |
本研究では,まず,瀬戸内火山岩類の東西方向の分布を再検討することを目標としている.その中で今年度は主に瀬戸内火山岩類の分布の西縁について検討を進めた.これまでは九州東部大分県に分布する大野火山岩類が瀬戸内火山岩の西縁とされていた.過年度までの研究に基づいて九州東部の熊本県天草地域の中新世珪長質火成岩がその放射年代および全岩化学組成の特徴から瀬戸内火山岩類に対比される可能性が高いことを指摘した学術論文を公表した.本研究では,さらに西方の甑島諸島へ分布が延長する可能性の検討を開始している.これまでも甑島の花崗閃緑岩中の火成包有物に,高Mg安山岩類似の岩石の報告があったが,パイロット的に分析した岩脈岩について,その蛍光X線分析に基づき高Mg安山岩に相当する組成の試料の存在を確認したので,その実態の解明のため岩脈岩の調査と試料採取を行った.採取試料は岩石記載を行うとともに,全岩化学分析と放射年代測定の準備を行なっている. 一方,瀬戸内火山岩の東縁の検討に関連した調査も着手しており,今年度は岐阜県中濃地区の能郷白山花崗閃緑岩体の野外調査を行いパイロット試料の採取を行った.こちらも採取試料の全岩化学分析と放射年代測定の準備を進めている. そのほか,瀬戸内火山岩類に特徴的に産出する高Mg安山岩および玄武岩について,広域的な野外調査と基礎的な全岩化学組成のデータ取得を以前から継続的に進めており,今年度は大阪府南部に分布するものの調査を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
地質調査や試料採取等は順調に進めているが,代表者の学内業務の関連で放射年代測定等の実施が2年目にずれ込んだ分,予定より遅延している.
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今後の研究の推進方策 |
瀬戸内火山岩類の九州西部への延長については,研究企画時の予想と合致するデータが得られつつあるので,甑島地域の岩脈の継続した地質調査と全岩化学分析,放射年代測定を2024年度に進めて瀬戸内火山岩類の西縁を明確にしたい.合わせて,紀伊半島東部から中部地方の野外調査も2024年度に実施し,最終年度に放射年代測定等の室内実験を進め,瀬戸内火山岩類の東縁の議論が行えるように準備したい.
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