研究課題/領域番号 |
23K03537
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
伊尾木 圭衣 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (70784130)
|
研究分担者 |
山下 裕亮 京都大学, 防災研究所, 助教 (80725052)
加瀬 善洋 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 産業技術環境研究本部 エネルギー・環境・地質研究所, 主査 (20707715)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 津波 / 津波堆積物 / 数値計算 / 巨大地震 / スロー地震 |
研究開始時の研究の概要 |
2022年3月に公表された国の地震長期評価において,日向灘でM8級の巨大地震が発生する可能性が初めて示された.しかし,根拠となった1662年日向灘地震は,地震の規模や断層モデル,過去の発生履歴が不明で,「正体不明の巨大地震」となっている. 本研究では,日向灘M8級巨大地震の正体,つまり発生様式(地震像と発生履歴)を明らかにする.最新のM8級巨大地震と考えられる1662年日向灘地震の断層モデルを,地球物理学・地質学・歴史学の融合アプローチにより構築し,地震像を解明する.さらに,地質学データに基づき,M8級巨大地震の発生履歴を解明する.
|
研究実績の概要 |
日向灘で発生する最大規模の地震と考えられている1662年日向灘地震は,浅部スロー地震震源域まで震源断層が広がっていて,津波堆積物調査と津波浸水計算により断層モデルの評価を行った結果,地震の規模がM8に近いことを先行研究では示した.一方,津波浸水計算の拘束条件に用いた津波堆積物データが1地域のみで,断層モデルの任意性が大きいという課題が残っていた. この課題を解決するため,2023年度は津波の痕跡データを増やすことに注力した.まずは宮崎県都農町において地形図・空中写真判読を行い,津波の堆積物調査に適した沿岸低地を抽出した.そして検土杖やハンドオーガーなどを用いて深さ1-2 m の小径掘削調査を行い,イベント堆積物の有無や広がりを確認した.また津波浸水計算に用いる古地形データを古地図などから復元し,断層モデルを用いて津波浸水計算を行い,調査地点の分布と計算浸水範囲の比較検討を行った. また国の地震調査研究推進本部は,「日向灘及び南西諸島海溝周辺の地震活動長期評価」(第二版,2022.03)を公表し,日向灘でM8級の巨大地震が発生する可能性について言及はされたが,過去の発生履歴が不明であることから,地震の発生確率は計算できていない現状である. この課題を解決するため,過去数千年間における地層中から津波堆積物を発見することを目的とし,今年度は宮崎市において予察的な調査を行った.検土杖などを用いて津波の堆積物調査に適した場所の選定を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「1662年日向灘地震の断層モデル構築」のため,津波の痕跡データを増やすことを目的とし,津波の堆積物調査に適した沿岸低地を抽出,そして小径掘削調査を行い,イベント堆積物の有無や広がりを確認した.また断層モデルを用いて津波浸水計算を行い,調査地点の分布と計算浸水範囲の比較検討を行った. また「過去数千年間における巨大地震の発生履歴の解明」のため,宮崎市において検土杖などを用いて津波の堆積物調査に適した場所の選定(予察的な調査)を行った.
|
今後の研究の推進方策 |
「1662年日向灘地震の断層モデル構築」のため,宮崎県太平洋沿岸地域において,津波堆積物調査,古文書記録および神社・地域の伝承聞き取り調査と数値化,日向灘プレート境界浅部の地球物理学的特徴抽出と断層パラメータ設定,津波浸水計算(シミュレーション)による断層モデルの評価を行う. また「過去数千年間における巨大地震の発生履歴の解明」のため,宮崎県太平洋沿岸地域において,津波堆積物調査を行う.
|