研究課題/領域番号 |
23K03547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金子 善宏 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10880255)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 地震 / パルス性破壊 / 動的破壊シミュレーション / 震源スペクトラル / 長周期地震動 / 断層破壊 |
研究開始時の研究の概要 |
地震時の震源断層において、断層面沿いに高速(約2-3 km/s)で伝播する破壊には、クラック性破壊とパルス性破壊の2つのモードが存在すると考えられている。近年の観測研究により、多くの大地震における断層破壊はパルス性モードで伝播することが知られているが、その成因は明らかでない。また、中小地震の研究においてはクラック性破壊のモデルが慣例的に使用されているが、中小地震時にパルス性破壊が起きているのかはわかっていない。本研究では、大地震における震源断層近傍で観測された波形データと動的破壊シミュレーションを用い、パルス性破壊の物理的成因の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、大地震における震源断層近傍で観測された波形データと動的破壊シミュレーションを用いて、パルス性破壊の物理的成因の解明を目指す。また、地震の大きさに関わらず普遍的なパルス性破壊の理論モデルを構築し、中小地震に応用できるかを検証する。
2023年度では、 断層近傍で多くの波形データが観測された2022年Mw7.0台東(台湾)地震に対して、スペクトラル要素に基づいた動的破壊断層モデルを構築し、幅広いパラメータを調査した結果、断層近傍の観測点で見られた振幅の大きな長周期地震動速度パルスを再現することに成功した。この長周期地震動速度パルスは、震源断層浅部を伝播するパルス性破壊が原因であり、地表面(自由表面)と地殻浅部における低速度構造の影響を受けることですべりパルスの幅が大きくなるとの結論を得た。また、台東(台湾)地震の断層モデルと観測データより、従来のメカニズムでは説明できない、断層近傍において断層を挟んで非対称な地震動が起こる現象を発見した。この研究結果を国際学会(AGU Fall Meeting in San Francisco)にて発表し、国際誌に投稿した。さらに、一般的な中小地震に対して、普遍的で自己相似性を持つパルス性破壊の理論モデルを構築し、自己相似性を持つクラック性破壊モデルと比較し、震源スペクトラルの特性の違いを明らかにした。この結果も、国際学会(AGU Fall Meeting)にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実施計画どおりに進んでおり、すでに1遍の論文を国際誌に投稿中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画どおり、2024年度では引き続き、大地震においてのパルス性破壊の成因の検証と中小地震を含む普遍的なパルス性破壊モデルの構築とクラック性破壊モデルとの比較を行う予定である。
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