研究課題/領域番号 |
23K03549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
Das Kaushik 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (40634077)
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研究分担者 |
中久喜 伴益 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (10263667)
富岡 尚敬 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 主任研究員 (30335418)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 大陸地殻 / 上昇速度 / 造山帯 / Continental crust / Exhumation rate / Orogenic belts |
研究開始時の研究の概要 |
地殻物質が活発に移動するプレート境界の造山帯は、大陸地殻の形成過程を理解する上で最も重要な領域である。地殻岩石の浸食・断層・塑性流動の要因の総合的結果である下部地殻岩石の上昇速度は変成岩に記録される。これまでは、上昇過程を記録した天然試料が見つからないことで、地殻変動を包括的に理解ができなかった。最近、我々は下部地殻の「上昇速度計」として最適な鉱物を、インド東ガーツ造山帯から発見した。それらの下部地殻由来の岩石中の鉱物から元素プロファイル測定とその冷却速度を決定できる。それを造山帯の動的熱進化数値モデルと比較し、下部地殻物質上昇速度を決定後、上昇過程を最も支配する要因を特定できる。
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研究実績の概要 |
今年度は下部地殻物質の移動過程を決めることを目的として、地質調査を行った。インド東ガーツ造山帯の2か所(PhulbaniとMaduravada地域)でルートマップ作成と共に、ガーネット-黒雲母を含む下部地殻由来の片麻岩を採取した。主に、花崗岩質片麻岩とAlに富む泥質片麻岩をサンプリングできた。それぞれのせん断帯での構造に対して下部地殻物質の移動の方向を定めて、定方位サンプリングも行った。上昇速度を決めるため、構造地質学的な移動方向が大事な情報になる。
定方位の岩石薄片を作成し、光学顕微鏡と走査型顕微鏡による微細組織観察をした。ガーネット-黒雲母間のFe-Mgの拡散プロファイルの正確な決定が本研究の大事な目的で、他のFe-Mgを含む鉱物がないところを選んで、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)分析と透過電子顕微鏡(TEM)分析ができる準備した。
造山活動を反映した様々な運動を取り入れた熱輸送数値モデルを構築するために、プレート収束域における下部地殻の上昇を仮定し、初期数値計算モデルを作成した。40キロメートルの深さの100キロメートルの断面を考えて2次元のモデルで下部地殻の上昇を再現した。26.5°の角度で毎年2センチメンタルの速度をもって上昇した場合、1000年から段階的に25万年、50万年、75万年、100万年と125万年の移動を再現し、それぞれの段階での熱の分布を計算した。それと、部分溶融や流体の働きも岩石中に見つかっており、それらを反映された計算もした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大陸地殻の深部で安定するF,Tiを含む黒雲母と共存するガーネットが入っている岩石採集に成功した。正確な拡散プロファイルを分析するため、境界が平らにする必要がある。薄片研磨の際、強度の異なる鉱物であり、均等に荷重与えながら鏡面研磨できる特別研磨装置が最近使用できるようになった。これらによってサンプルの鏡面研磨や分析についても、順調に成果がではじめており、来年度も引き続き分析と数値シミュレーションの計算を継続する。
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今後の研究の推進方策 |
ガーネット-黒雲母間のFe-Mg拡散プロファイル決定し、ガーネットの10~50 ミクロメータという非常に狭い領域での拡散プロファイルを、高空間分解能で精度良く決定する。そのため、超高空間分解能での微細組織観察とEPMAや2次元化学組成分析が可能な透過電子顕微鏡(TEM)を用いる。数値計算実験については、担当の研究分担者と初期モデルの向上を目指す。
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