研究課題/領域番号 |
23K03554
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
鈴木 岳人 青山学院大学, 理工学部, 助教 (10451874)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ゆっくり地震 / 高速地震 / BKモデル / 熱・流体・空隙相互作用 / 相転移 / 規模別頻度分布 |
研究開始時の研究の概要 |
ゆっくり地震と高速地震という、発生メカニズムが全く違うと考えられている2つの地震は、滑り速度など様々な側面で対立的な様相を見せる。ここでは地震の規模とそれが発生する数の関係に着目する。この関係において、ゆっくり地震では特徴的な規模というものが存在し、高速地震ではそれが存在しないと指摘されている。しかしその理由について、物理的説明は全くなされていない。本研究ではバネとブロックからなる系に摩擦発熱や流体の効果、あるいは地震滑りに伴って岩石が壊れる効果を導入し、その説明を目指す。
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研究実績の概要 |
近年の観測研究により、地震には我々が通常感じる高速地震と、地震波を殆ど放射せず我々には感じることがないゆっくり地震が存在すると明らかになってきた。ゆっくり地震は地震波を出さないのであるから、直接人間社会に影響を及ぼすわけではない。しかしそれを繰り返すことによって高速地震へと遷移する可能性もあり、見過ごしてはならない現象である。そういった振る舞いの理解への準備として、本研究ではゆっくり地震と高速地震の規模別頻度分布の違いに着目する。どちらの地震も、規模が小さいものは発生数が多く、大きいものは発生数が少ないことが知られている。すなわち発生頻度が規模に依存するのであるが、その依存性は両地震で同じではない。その違いを説明することは両地震の発生メカニズムの理解につながり興味深い。
ここで熱・流体・空隙相互作用について簡単に述べる。まず断層岩は空隙を多数含んだ多孔質媒質であるとし、空隙は液相(水)で満たされているとする。断層滑りの際に摩擦発熱が支配的だと媒質は膨張するが、固相と液相の膨張率の違いにより断層面上での流体圧p_fが上昇する。一方滑り時に滑り面近傍で空隙が生成する効果が支配的だとp_fは減少する。p_fが高い(低い)と有効法線応力の減少(増加)と滑り摩擦力の減少(増加)、そして滑りの加速(減速)を導く。加えて、滑りに伴って空隙が生成すると同時に、それによって生じた粒子がその後沈殿して空隙率の回復(空隙率で言えば減少)に関わるという効果も重要である。
多数のブロックをバネで連結したBurridge-Knopoff(BK)モデルにおいて、熱・流体・空隙相互作用を導入した。その結果、多くのブロックが停止せずゆっくりと滑り続ける振る舞いを得た。その解釈の一例として、微動を再現している可能性を挙げる。微動はゆっくり地震が連続的に起こっていると考えられており、それに対応すると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
微動と解釈できる地震を発生させることができたからである。過去の研究では「高速」「ゆっくり」という分類のみを考えてきたが、その「ゆっくり」というカテゴリーの下に「微動」というものカテゴリーを加えられたのである。
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今後の研究の推進方策 |
微動が生成されるようになったとはいえ、まだ多様な規模のものを発生させられたわけではない。多様な規模を見出せるよう、幅広い計算を行いたい。
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