研究課題/領域番号 |
23K03581
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
松原 剛 名城大学, 理工学部, 教授 (00964339)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 多軸疲労評価 / 微小欠陥 / 実働荷重 / 疲労 / 破壊 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、ヘリコプターや空飛ぶ車の損傷許容設計は、実現象を単純な応力状態に置き換えて実験的に評価している。その結果、限界を過剰に見積もり、大きく重い部品を設計することになる。そして、運用中に想定以上の欠陥や許容値以上の応力が生じた場合、改めて実験的評価が必要となる。これは、微小欠陥における多軸実働荷重のメカニズムが不明で、実験的評価を取らざるを得ないことに起因する。 そこで本研究は、多軸疲労のメカニズムを考慮した任意の寸法の微小欠陥に対する多軸実働荷重における疲労評価法を構築する。本研究で開発する技術は、回転機械にも適用可能で、デジタルエンジニアリングひいてはDX開発にも必要となるものである。
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研究実績の概要 |
現在、ヘリコプターや空飛ぶ車の損傷許容設計は、実現象を単純な応力状態に置き換えて実験的に評価している。その結果、限界を過剰に見積もり、大きく重い部品を設計することになる。そして、運用中に想定値以上の欠陥寸法が発見された場合や許容値以上の応力が生じた場合には、改めて実験的な評価が必要となる。これらの問題は、微小欠陥における多軸実働荷重のメカニズムが明らかではなく、実験的な評価を取らざるを得ないことに起因する。 今年度の研究の目的は、微小欠陥材の多軸一定応力振幅疲労における疲労寿命の推定法の開発である。 今年度の実績は、担当者が提案する評価パラメータを用いて、微小欠陥の多軸一定応力振幅疲労寿命を推定できる方法を考案した。課題は、負荷応力が高く応力集中を考慮すると塑性領域になる場合の評価である。評価法の検証には、ヘリコプターで用いられる高強度鋼SNCM439の特定寸法の微小欠陥材の多軸一定応力振幅疲労試験結果を行い、その破断寿命の予測を行った。 さらに、次年度に向け、平滑材向けに提案した多軸実働荷重評価法と、今年度開発した微小欠陥材の多軸一定応力振幅疲労評価法を組み合わせて、微小欠陥材の多軸実働荷重疲労評価法を開発中である。課題は、負荷波形の中に含まれる高応力による損傷をどのようにサイクルカウントしていくかである。評価法の検証にはSNCM439の特定寸法の微小欠陥材の疲労試験結果を用い、実験結果と推定結果の比較を行い、提案法の検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の実績として、担当者が提案する評価パラメータを用いて、微小欠陥の多軸一定応力振幅疲労寿命を推定できる方法を考案した。課題は、負荷応力が高く応力集中を考慮すると塑性領域になる場合の評価である。評価法の検証には、ヘリコプターで用いられる高強度鋼SNCM439の特定寸法の微小欠陥材の多軸一定応力振幅疲労試験結果を行い、その破断寿命の予測を行った。さらに、計画では次年度の作業である平滑材向けに提案した多軸実働荷重評価法と、今年度開発した微小欠陥材の多軸一定応力振幅疲労評価法を組み合わせて、微小欠陥材の多軸実働荷重疲労評価法を開発中である。想定以上に実験前の理論構築が進捗しており、前倒しで実験条件が設定出来るようになった。そこで、実験の遂行が可能となったため、前倒しで装置を購入して、実験を開始する。
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今後の研究の推進方策 |
平滑材向けに提案した多軸実働荷重評価法と今年度に考案した評価法を組み合わせて、微小欠陥材の多軸実働荷重疲労評価法を考案する。課題は、負荷波形の中に含まれる高応力による損傷をどのようにサイクルカウントしていくかである。評価法の検証にはSNCM439の特定寸法の微小欠陥材で行い、負荷波形は申請者が同材の平滑材に負荷した実績のある多軸変動波形2種類を用いる。実験結果と推定結果の比較を行い、提案法の検証を行う。
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