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非線形周期構造を移動する局在エネルギーとその制御

研究課題

研究課題/領域番号 23K03582
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分18010:材料力学および機械材料関連
研究機関摂南大学

研究代表者

渡邉 陽介  摂南大学, 理工学部, 准教授 (30304033)

研究分担者 土井 祐介  大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10403172)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード局在エネルギー / 離散周期系 / 非線形振動 / 伝播特性
研究開始時の研究の概要

本質的に離散系である微細構造に現れる非線形振動現象について、「マクロ」な力学装置を用いた実験的検証をおこなう。系を本質的に支配する「離散性」と相互作用の「非線形性」が振動モード、特に伝播速度に及ぼす影響とそのメカニズムの解明を目指す。これらを基に新素材の構成に向けた、振動現象の制御方法についての提言を目指す。系に励起される非線形振動現象、特に、振動エネルギーの局在化、その伝播およびコントロール手法を体系化し、ナノ構造における振動エネルギーの応用指針を確立したい。

研究実績の概要

本研究では、離散周期系における特徴的な非線形振動モードの特性と、それらのモード間相互作用のメカニズムを理解し、振動モードを制御する手法の確立を目指している。特に、非線形性が強く現れる周期系に励起するロバストな局在振動はIntrinsic Localized Mode(ILM)として知られており、エネルギー伝播現象の観点から、その振動特性や伝播特性等に関心が寄せられている。
まず2023年度はILMの伝播特性を、連成振動子列での励起実験(担当:渡邉)と、実験装置に対応する数理モデルに対する数値計算(担当:土井)から明らかにすることを目指した。数値計算結果からは、伝播しているILMの速さが変化(減速、加速)する、あるいは伝播速度の変化は系に励起した微小振幅振動(さざ波)の影響を受けることが示唆された。一方、実験による観測からは、ある程度局在が強いILMは伝播中、ほぼ速さを変えないこと、ILMの局在の強さやILMの伝播速度がILM励起のタイミング(加振の初期条件)の影響を受ける可能性があることが明らかになった。実験では何度も計測を繰り返す必要があったため、本年度はDIPP-Motion(画像を用いた運動検出・解析ソフトウェア)を急遽購入した。これにより比較的簡易にILMの伝播の様子を把握することができた。
本研究で得られた成果は国際会議(ICIAM 2023(8月)、NOLTA 2023(9月)、JSLoc 2024(3月))および国内学会(日本機械学会年次大会(9月))等で報告した。数値計算と比較するためのより精密な実験データは、今後、モーションキャプチャーシステムを用いて得る必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験では同じパラメータ値に対し、計測を繰り返す必要があるが、新たに購入したソフトウェア(DIPP-Motion)を利用して、撮影動画から比較的簡易に、個々の振動子の位置の時間変化を捉えることが可能になったため。

今後の研究の推進方策

数値計算と比較するためのより精密な実験データは、光学カメラと統合ソフトウェアからなるモーションキャプチャーシステムを用いて得る必要がある。現有のカメラは購入後かなりの年月が経過した型落ちの機種であり、本研究での計測に必要な解像度と画角の性能が不足しているため、かなりの頻度でデータ記録エラーを起こしている。本年度は予算の多くを物品費に当てて、カメラを上位の機種に買い替える予定である。これらを用いることでスムーズな実験計測が進められることを期待している。
また本年度はILMの安定性についての検証実験をおこなう。ILMどうし、あるいはILMと他のモードとの相互作用を明らかにするための実験をおこなう(担当:渡邉)。並行して数値実験をおこない(担当:土井)、両者の結果の比較と検討をおこなう。当年度はキンクの励起実験も進め、その伝播特性を明らかにする。先行研究で、加振のパラメータに関して、ILMとキンクが共存する領域が存在することがわかっており、スペクトル解析を基にこれらを分離する方法について検討を進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Experimental and Numerical Study on Velocity of Nonlinear Localized Oscillation in a Mass-Spring Chain2023

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Watanabe and Yusuke Doi
    • 雑誌名

      IEICE Proceeding Series

      巻: 76 ページ: 684-684

    • DOI

      10.34385/proc.76.D1L-42

    • ISSN
      2188-5079
    • 年月日
      2023-09-21
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Measuring velocity of supratransmission in mass-spring chain2024

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Watanabe
    • 学会等名
      JSLoc 2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Numerical experiment on nonlinear localized oscillation propagating in a mass-spring chain2023

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Watanabe
    • 学会等名
      ICIAM 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 質点バネ系を移動する非線形局在振動の速度に関する実験的および数値的考察2023

    • 著者名/発表者名
      渡邉陽介,土井 祐介
    • 学会等名
      日本機械学会 2023年度年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Experimental and numerical study on velocity of nonlinear localized oscillation in a mass-spring chain2023

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Watanabe and Yusuke Doi
    • 学会等名
      2023 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications (NOLTA 2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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