研究課題/領域番号 |
23K03640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
太田 浩之 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (30233141)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 転がりトラクション / 線接触 / 等粘度-剛体領域 / 高圧粘度-剛体領域 / 弾性流体潤滑領域 / 潤滑領域 |
研究開始時の研究の概要 |
油潤滑された転がり機械要素を高速運転した場合に生ずる摩擦は,主に転がりトラクション(2物体が純転がりするときに油の粘性によって生ずる抵抗)によることが知られている.そのため,転がりトラクションの計算式がすでに多数提案されている.しかし,同一の運転条件であっても,使用する計算式によって,転がりトラクションの計算値が数倍程度異なるということが報告されている. 本研究では,転がりトラクションの実験とシミュレーションを行い,広い潤滑領域(等粘度剛体(IVR),高圧粘度剛体(PVR)および弾性流体潤滑(EHL)領域)に対応する線接触下の転がりトラクションの計算式を統合的に構築する.
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研究実績の概要 |
本研究は,油潤滑下の線接触における等粘度-剛体(IVR)領域,高粘度-剛体(PVR)および弾性流体潤滑(EHL)領域の転がりトラクション(2物体が純転がりするときに油の粘性によって生ずる抵抗)の計算式を統合的に構築することを目的としている.本年度は,市販のソフトウエアTED/CPAによる転がりトラクション計算および二円筒試験機による転がりトラクションの測定を行った.そして,以下の結果を得た. ①測定で得た転がりトラクションの時間平均値FR AVGおよび接触問題解析プログラムTED/CPAによる転がりトラクションFR TED/CPAの計算値は,IVR,PVR領域では荷重Pの増加にともなって増える傾向があるが, EHL領域では荷重Pの影響をほとんど受けない. ②FR TED/CPA の計算値を曲線適合することで,等温条件下の転がりトラクションの計算式FR isoを導出した.さらに,FR isoに熱修正係数を乗ずることで,せん断発熱を考慮した転がりトラクションの計算式FR thermalを導出した.FR thermalの計算値は, IVR,PVRおよびEHL領域の全域でFR AVGの測定値とおおまかに一致する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度は,当初予定していた計画をすべて実行したことに加え,令和7年度に行う予定の転がりトラクションの計算式を前倒しで提示した.さらに,研究結果を国際誌に投稿し,令和6年5月号に掲載が決定されたたことから,「当初の予定以上に進んでいる.」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今年度,線接触における等粘度-剛体(IVR)領域,高粘度-剛体(PVR)および弾性流体潤滑(EHL)領域の転がりトラクションの計算式を提案した.円筒ころ軸受や円すいころ軸受などは,一般に線接触するとみなされているが,運転中はころのスキューが生ずることが知られている.このようなころのスキューが生じる場合の転がりトラクションを計算するためには,その基礎研究として,スキューした2円筒の転がりトラクションを詳しく解明する必要がある.そこで,次年度以降は,TED/CPAを用いて,スキューした2円筒の等温条件下の転がりトラクションの計算を行う.そして,TED/CPAの結果を曲線適合することで,スキューした2円筒の等温条件下の転がりトラクションの計算式の構築を目指す.
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