研究課題/領域番号 |
23K03650
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 大同大学 |
研究代表者 |
宮本 潤示 大同大学, 工学部, 准教授 (50713046)
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研究分担者 |
坪井 涼 大同大学, 工学部, 准教授 (90548158)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | プラズマ窒化処理 / トライボロジー / 凹凸 / 部分処理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,金属材料のトライボロジー特性を向上させることを想定し,化合物層をポーラスが発生するようにプラズマを制御し,かつ表面を部分的に処理し,油や水などの潤滑における特性を明らかにすることを目的とする.化合物層の特性として新たに従来技術の問題点であったテクスチャリング表面の自己修復性や隙間内面の処理も期待される.化合物層のポーラスは,クラックにも留意しなければならない.クラックが発生せず,高い潤滑性を有した化合物層の形成条件やその特性を明らかにする.
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研究実績の概要 |
2023年度では研究の目的である「隙間内面にも形成可能で,テクスチャリング表面の自己修復性および耐摩耗性を備えたこれまでにない新しい処理法の開発」を目指し,新しい実験装置および実験方法の構築を行った.以下に2023年度の実績の概要を示す. 1.マスクを用いたパターン窒化処理法の構築 本研究では,部分的に機械的特性および形状が異なる表面を創生するために,簡易的なマスク(直径1mm以下の穴が開口したマスク)を試料表面に置くことでそれを達成した.マスクパターンは3種類(直径1mm,0.5mm,0.35mmの穴が開口したパターン)用意し,プラズマ窒化処理が可能であることを明らかにした.また,プラズマ窒化後の表面は摩擦摩耗試験を行う前から島を有する凹凸形状が見られることが明らかとなった.この凸部の高さはマスクパターンの直径に依存して変化することが明らかとなった. 2.実験装置および実験条件の構築 本研究で用いた電子ビーム励起プラズマ窒化処理装置の構築を行った.これにより高密度なプラズマを生成することに成功した.また、その処理条件出しを行った.具体的には流入するガス量の影響を明らかとした.水素ガスの流入量が窒化層の形成に大きく影響することが明らかとなった.これは残留酸素ガスの影響およびNHラジカルの影響であると考えられる. 以上のことより,部分的に形状,硬さおよび組織が異なる試料表面を創成することに成功した.今後はこれらを踏まえて,実際に摩擦摩耗試験を行い,トライボロジー特性について明らかにする計画である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では新しい処理装置・処理方法の構築とそのプラズマの分析を2023年度の計画としていたが,おおむねこれらは達成することができた.ただし,当初計画では化合物層を短時間で形成できるように高密度な窒素プラズマ(10^12~10^13/cm^3)を生成することとしていたが,具体的な窒素プラズマのプラズマ密度は10^11/cm^3であった.しかし,この条件であっても処理時間がわずかに増加するだけで当初の目的を達成することは十分可能である.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度では各マスクパターンにおける窒化層の影響の解明を計画している.すでにその予備実験は行い,その影響を推察している.今後の研究の推進方策としては,当初計画どおり,3種類のマスクパターンを有するマスクを用いてプラズマ窒化処理を行う.その後,表面硬さ,断面硬さ,断面組織,表面粗さ等の分析を行った後,摩擦摩耗試験を行い,マスクパターンがトライボロジー特性に与える影響を明らかにする.必要に応じて硬さや化合物層の有無によるトライボロジー特性の影響についても明らかとする.
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