研究課題/領域番号 |
23K03660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
栗本 遼 神戸大学, 工学研究科, 助教 (90711903)
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研究分担者 |
林 公祐 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (60455152)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 気泡 / 鉛直物体群 / 抗力係数 / 揺動運動 / 気泡流 / 気泡運動 / ボイド率 / 数値計算 |
研究開始時の研究の概要 |
膜分離活性汚泥法における中空糸膜群の膜洗浄にかかるコスト低減には,密な中空糸膜群内外の気泡流流動特性を把握・最適化する必要がある.しかしながら,流動全体のスケールと密な膜群内部のスケールが大きく異なる点や気泡を多数含む流れである点から,現状では詳細な知見や数値予測技術が得られていない.そこで本研究では,密な鉛直物体群内外における気泡流構造の実験的解明と数値予測技術を開発する.そのため,(1)密な鉛直物体群内への気泡侵入可能性と単一気泡運動実験,(2)密な鉛直物体群内外における気泡流流動構造の実験的解明,(3)密な鉛直物体群内外における気泡流の数値予測技術の開発と膜群洗浄最適化検討を実施する.
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研究実績の概要 |
膜分離活性汚泥法における中空糸膜群の膜洗浄にかかるコスト低減には,密な中空糸膜群内外の気泡流流動特性を把握・最適化する必要がある.しかしながら,流動全体のスケールと密な膜群内部のスケールが大きく異なる点や気泡を多数含む流れである点から,現状では詳細な知見や数値予測技術が得られていない.そこで本研究では,密な鉛直物体群内外における気泡流構造の実験的解明と数値予測技術を開発する.そのため,(1)密な鉛直物体群内への気泡侵入可能性と単一気泡運動実験,(2)密な鉛直物体群内外における気泡流流動構造の実験的解明,(3)密な鉛直物体群内外における気泡流の数値予測技術の開発と膜群洗浄最適化検討を実施する. 2023年度は当初の計画通り,(1)について実験を実施した.気泡径が小さい場合には鉛直物体群の影響により気泡の水平方向運動が抑制されるとともに鉛直物体間距離が小さい場合にのみ終端上昇速度が低下した.気泡径が大きい場合には,気泡の水平方向運動が抑制されるとともに,鉛直物体間距離の減少に伴い終端上昇速度が増加した.終端上昇速度の増加に対しては,鉛直物体による気泡形状の大きな変化が要因であると考えられる.これらの実験には液相として水とキサンタンガム水溶液を用いており,類似した傾向が得られている.また,鉛直物体群の影響を取り込んだ抗力係数相関式を作成した.これらの研究成果を現在まとめており,国際学術雑誌へ論文を投稿する予定である.さらに,終端速度の増加と気泡周囲の流れ場との関連を調べるために,Spatiotemporal filter velocimetryによる流れ場測定にも取り組んでいる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【研究実績の概要】に記載した通り,2023年度は(1)について実施した.新たに鉛直物体群内の気泡運動を観察できる実験装置を構築し,鉛直物体群が気泡運動に及ぼす影響を明らかにするとともに,気泡の終端上昇速度を予測できる抗力係数相関式を開発した.また,現象を物理的に理解するため当初計画には無かったが気泡周囲の速度場測定も実施している.研究成果を当初計画と達成目標に照らし,本研究は概ね順調に進展しているものと判断した.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は概ね順調に研究を進められているため,2024年度も継続して当初計画に沿った研究を実施する.具体的には(1)については速度場測定実験を進めていくとともに,液相物性が気泡運動に及ぼす影響についてもより詳細に理解できるよう新たな実験を計画している.(2)(3)については,2024年度から開始したいと考えている.(2)については,気泡流構造に及ぼす装置特性を調べることにならないような実験体系の構築が必要であり,実験装置の構築に注力していく予定である.(3)については,簡単な体系から手法の適切性について検討していく予定である.また,国内学会での研究発表と国際学術雑誌への論文投稿を予定している.
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