研究課題/領域番号 |
23K03662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
申 炳録 宮崎大学, 工学部, 教授 (30235767)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 流体工学 / 数値流体力学 / 気液混相流 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、流体機械のような実際の流れ場で発生するキャビテーション由来の音源を正しく捉えられる乱流モデルと音響モデルを提案し、騒音予測のための効率的数値解法を開発する。この解法で様々な環境下のキャビテーション関連騒音問題を解析し、本解法の有効性を検証するとともに気泡挙動の詳細や騒音の発生・伝播メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は,気液混相流のための数値解法を基盤として,流体機械のような実際の流れ場で発生するキャビテーション由来の音響現象を包括的に捉えられる音響解析システムを構築し,キャビテーション騒音を高精度で効率的に予測できる数値解法の開発を目指している. 騒音予測のための高効率数値解法を提案するため,まず初年度は非定常気液混相流のため最近提案した流れ場の差分解法を音響解析に対応できるよう検討した.用いる流れ解法が特性の理論に基づくため,気泡崩壊に伴う圧力波の挙動を精度よく捕獲できるが,接触不連続面の計算では数値粘性が局所的に加わることも考えられ,数値粘性と音響伝播の両観点で安定性・精度を中心に検討を行った.キャビテーション騒音は空洞の体積分率の変化に大きく影響するので,気泡崩壊挙動を安定かつ高解像度で捉えつつ局所的に数値粘性を制限する必要がある.そこで,計算上最も影響の強い非線形項の離散化をMUSCL法に3次精度TVD法を加える方法で対応し,時間積分には4段階のルンゲクッタ法を導入して流れ場の解法を再構築した. 次に,音響モデル及び乱流モデルにおいては,非定常気液混相流の解法との相互関連性を考慮し,それらの適合性について検討した.空力騒音解析技術を含んだ多くの調査から,音響解析だけを考えると流れ場と音響場を同時に解析する直接解法が有利な面があるが,解析に要する計算負荷,費用の面で効率が悪いため,流れの解析と騒音の解析を順次に行う複合解析法が,計算負荷や実用性の面で効率がよいこと,また,乱流の見積りにおいても,時間平均基盤に乱れによる音源の取得や圧縮性流れを扱える乱流モデルが実用計算上都合がよいことなどの知見をえた.まずは,本流れの解法と単極子音源のみを考慮した音響モデルで単一空洞気泡崩壊問題の解析を試み,本解析システムが空洞騒音解析に有効であることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
騒音予測のための高効率数値シミュレーターの開発にあたり,気液混相流のための流れ場の差分解法を,音響モデルと乱流モデルの結合とで音響解析に調和が取れ,気泡崩壊挙動を安定かつ高解像度で捉える解法に構築するなど,交付申請書の研究計画に記した項目について,順調に実施し,当初の目標をほぼ達成できた.
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今後の研究の推進方策 |
前年度の研究が当初の計画通り順調に実施できたので,今後は,引き続き,圧力の変動等の複雑な流れ場の情報から包括的騒音解析に適した音響アナロジーに基づくモデルの提案など,交付申請書の研究実施計画に記した項目について研究を推進する.
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