研究課題/領域番号 |
23K03665
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
菊池 崇将 日本大学, 理工学部, 准教授 (50625291)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 抗力係数 / 高速度撮影 / 条件設定指標 / 弾道飛行装置 |
研究開始時の研究の概要 |
航空機開発・大気圏突入物体開発で使用される空力データには減速の影響が考慮に入っておらず,地上実験結果が現実と合致していない。本研究課題では,実験計測から,この減速の効果を定式化することを目指す。 実験計測において,計測精度の低さと信頼性の低さが問題になっている。この問題を解消するために,地上実験で作り出した現象を高精度に計測する際に,計測機器の条件をどのように設定すればよいのか,条件設定指標を構築する。得られた指標をもとに設定した高精度計測条件下で,減速率の異なる球の抗力係数を計測する。計測結果から,減速が抗力係数へ与える効果を評価する。
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研究実績の概要 |
(実施内容)計画の通り,「位置履歴の真値」が既知な実験を,コンピュータ上で仮想的に再現し,統計的に処理することで,計測精度を予測する解析ソフトウェアを開発した。具体的には,①抗力係数が既知の物体の位置履歴を生成し,これを物体の位置履歴の真値とおく。②位置履歴の真値に対して,撮影条件を加味し,実験で得られる連続写真と同等の疑似実験画像を生成する。疑似実験画像から読み取り誤差幅を算出する。③位置履歴の真値に読み取り誤差を付与した位置履歴を生成し,この読み取り誤差ありの位置履歴から抗力係数を算出する。読み取り誤差ありの位置履歴から得られた抗力係数と①の抗力係数の真値との差が,計測誤差である。④同様の読み取り誤差をランダムに付与して,多数回繰り返す(モンテカルロシミュレーション)ことで,設定した撮影条件・画像処理条件での計測精度を統計的に得る。上記の,①~④を幅広い撮影条件に適用し,撮影条件vs計測精度のビックデータを生成した。解析ソフトウェアの妥当性の検証実験を実施した。ソフトウェアから得られた結果は実験と一致し,その妥当性を確認した。これらにより,高精度な実験計測を可能にする条件を設定できる環境を構築した。 計画している学外装置を用いて,学内保有装置では実施不可能な実験条件での,予備実験を実施した。これにより,計測のトリガ等の課題の有無を調査した。 (意義と重要性)本研究では,2つの目的がある。このうち,「高精度な実験計測を可能にする条件の設定」を本年度で達成した。得られた知見は,同様の実験計測を行う研究において,その精度を担保する重要な指標として広く利用されるものである。また,本年度の成果は,もう一つの目的「減速が抗力係数に与える効果の評価」においても,結果の妥当性を担保する重要な指標である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度では「高精度な計測を可能にする条件設定の基準を得る」を目的としている。この基準作成に使用するソフトウェアの開発が出来たことから,この目的を達成したと考えている。次年度以降では,抗力係数の計測実験を計画しているが,現在準備中のため,計画と同等と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
計画どおり,密度の異なる飛行体射出実験により,減速が抗力係数に与える影響の評価を進める。 実験条件には,本研究室が既に保有している実験装置では不可能な条件を含んでいる。実験装置の改良により,計測可能な実験条件を拡張する。装置改良では対応不可能な実験条件を,外部共同利用を受け入れている東北大学流体科学研究所の弾道飛行装置で実施する。
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