研究課題/領域番号 |
23K03680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 大同大学 |
研究代表者 |
坪井 涼 大同大学, 工学部, 教授 (90548158)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 着氷現象 / 流体工学 / 計測 / 着氷シミュレーション / 着氷 |
研究開始時の研究の概要 |
航空機の翼効率やエンジンの性能低下を引き起こす原因として,着氷現象がある.着氷の抑制は翼性能の維持やジェットエンジンの耐久性・信頼性向上に重要であるが,着氷のメカニズムは複雑であり未解明な部分が多い.本研究は,実験的アプローチにより低温の固体表面および氷が付着した表面における液滴の飛散現象について物理的な素過程の解明を行い,それを再現する計算モデルの構築,着氷シミュレーションへの導入を行う.
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研究実績の概要 |
航空機の翼効率やエンジンの性能低下を引き起こす原因として,着氷現象がある.着氷の抑制は翼性能の維持やジェットエンジンの耐久性・信頼性向上に重要であるが,着氷のメカニズムは複雑であり未解明な部分が多い.近年では,過冷却液滴による着氷条件以外に,SLD着氷やIce Crystal着氷なども問題となっており着氷形状の予測が困難になっている.本研究は,実験的アプローチにより低温の固体表面および氷が付着した表面における液滴の飛散現象について物理的な素過程の解明を行い,それを再現する計算モデルの構築,着氷シミュレーションへの導入を目的としている. 本研究では固体表面に液滴を射出し,その後に飛散する液滴の直径や速度分布を計測することにより着氷におけるスプラッシュモデルを作成する. 2023年度の実績として,温湿度制御を可能とする試験室の製作および微小液滴射出装置の製作については,試験室の設計および材料および部品の選定,納入までを完了した.残念ながら予算の都合のため組立を行うことはできなかった.一方,冷凍環境下ではないものの,常温における液滴衝突試験,PTV解析,画像解析を進めた.二次液滴の飛散する方向ごとに撮影面を作成することで擬似的な3次元計測を可能とした.実験から得られた知見として,(1)飛散する液滴の個数は側方側よりも下流側で多くなるが,衝突角度が大きいとき,その差は小さくなる.(2)液滴の衝突角度が大きくなるとともに,各飛散方向角度に飛散する液滴の最大個数と最小個数の差は小さくなる.(3)衝突角度に関わらず,衝突時の液滴速度が高速であるほうが飛散液滴の個数は多くなることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
温湿度制御装置を用いた試験室の製作が2023年度内に終了する予定だったが,製作に使用する材料・部品の価格高騰により材料・部品の納入までとなった.試験室の製作は2024年度前半に終了予定である.その他の微小液滴射出装置の製作や液滴衝突試験は試験室の製作が未完のため常温での試験ではあるが順調にデータ取得を行っていると言える.
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今後の研究の推進方策 |
温湿度制御を可能とする試験室の製作および微小液滴射出装置の製作を2024年度前半中,早期に終了する予定である.冷凍環境下における液滴衝突試験,PTV解析,画像解析については,試験室の製作が済み次第実施する予定である.得られた研究成果は,学術雑誌に論文投稿するとともに,国際会議、国内学会等で積極的に発表していく.
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