研究課題/領域番号 |
23K03715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
田川 俊夫 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (90294983)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 沸騰・凝縮 / 数値シミュレーション / 格子ボルツマン法 / 濡れ性 / 相変化モデル / フェーズフィールド法 / マイクロレイヤーモデル |
研究開始時の研究の概要 |
格子ボルツマン法は,計算効率,質量保存性,複雑な現象への応用性に優れるとされ,近年注目を集めている.本研究では,このLBMに着目し,相変化を伴う気液二相流に対して適用し,これまで不可能であった解析の実現をはかる.それを達成するために,相変化の影響をソース項としてモデル化し支配方程式に組み込む点は本研究の特徴として挙げることができる.また,Graphics Processing Unit(GPU)を用いて様々な問題の解析を行い,本手法の有用性の確認を行う.最終目標として,CFDによる核沸騰の再現を試み,三次元計算でのコストの検証も行い,核沸騰伝熱面での熱流束や熱伝達率の数値予測まで行う.
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研究実績の概要 |
当該年度に実施した研究は以下の通りである.格子ボルツマン法(LBM)による相変化をともなう気液二相流コードの開発を行った.その解析手法は擬似ポテンシャル法を適用した.これにより気液界面を表現することができる.温度場の解析にはLBMを適用することも可能であるが,メモリ使用量の削減のために有限差分法を適用した.実施計画の段階で想定していたフェーズフィールド法を用いたLBM解析手法の場合と比べて高密度比ケースへの適応がやや困難であるという問題点は含んでいるが,まずはコード開発の容易性の観点から擬似ポテンシャル法にて研究を実施した.その際,Graphics Processing Unit (GPU)を用いて,計算の高速化と高効率化を目指した.これにより計算結果のアウトプット量の増加と精度の向上をはかることができた. プール沸騰現象では,過熱度の増加とともに,自然対流,核沸騰の開始,限界熱流束,遷移沸騰領域,そして膜沸騰への移り変わることが実験的に知られている.このことを本手法により再現できるかどうかをまず確認した.気液2相状態にある密閉空間系を想定し,厚みのある固体壁の底面から一定温度で加熱される2次元シミュレーションを実施した.気泡核生成を容易にするために,加熱面から少し離れた上部に円形の補助ヒータを設置した.シミュレーションの結果,自然対流から膜沸騰の領域まで沸騰曲線を定性的に再現することに成功した.この研究成果は,国際誌ICHMTに掲載された.これと同様な二次元系において印加電場の沸騰曲線への影響を調査した.これについては国際会議ISTP33にて口頭発表を行うとともに,その研究成果はATEに掲載された.その他,伝熱表面の微細構造や濡れ性を考慮した3次元シミュレーションと流動沸騰に関する研究成果がそれぞれIJHMTとPhysics of Fluidsに掲載された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
格子ボルツマン法に有限差分法を併用し,擬似ポテンシャル法による解析コードの開発をおこない,幾つかの沸騰シミュレーションを実施した.研究成果の一部は,第60回日本伝熱シンポジウムやThe 33rd International Symposium on Transport phenomena (ISTP33)において口頭発表を行った.その成果は,Applied Thermal Enginneringなどの国際誌に掲載された.
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今後の研究の推進方策 |
今後,相変化モデルの改善をはかる.LBMによる相変化解析においては,擬似ポテンシャルLBMを改良したものが比較的よく用いられる.しかし,これらの適応は中密度比に限られている.水と水蒸気の密度比は大気圧下では1000以上となり,これは高密度比にある.そこで,高密度比への適応の観点からフェーズフィールドLBMによる相変化解析手法の開発に今後注力する.
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