研究課題/領域番号 |
23K03722
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
赤坂 亮 九州産業大学, 理工学部, 教授 (60369121)
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研究分担者 |
粥川 洋平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (50371034)
東 之弘 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 教授 (90183095)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 状態方程式 / 冷媒 / 水素結合 / 飽和蒸気圧 / 密度 / 地球温暖化 / 超低温 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,これまでに確立した一般化水素結合モデルを-50℃以下の温度域にまで拡張し超低温用冷媒の高精度状態方程式を開発する.一般化水素結合モデルは微視的な分子構造の違いを考慮することなく巨視的な熱力学的状態量を精度良く再現するものであるが,現状の一般化水素結合モデルは主に空調用冷媒を対象として構成されており,その有効温度下限は-20℃程度である.本研究では,精密に測定された超低温域における熱物性の実測データを用いて有効温度範囲を-80℃付近まで拡張し,次世代超低温用冷媒R-1132aの状態方程式開発に適用する.
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研究実績の概要 |
2023年度はこれまでに開発した一般化水素結合モデルの低温域への拡張を試みた.当初は,モデルの部分的な修正で超低温域まで適用範囲を拡大することが可能と見ていたが,超低温域では分子間相互作用が常温よりも相対的に増大し,拡張したモデルの誤差が予想以上に大きくなった.そのため,関数形の抜本的な見直しが必要であることが判明した.超低温冷媒R1132aの実測値情報は未だ限定されており,関数形の見直しには適さないことから,中低温域にまで対応し,誘導状態量も含めた実測値情報も多く入手可能なR1243zfを対象として関数形の再構築を行った. 2023年12月までに新たな一般化水素結合モデルを用いたR1243zfの状態方程式を完成させた.この成果は2024年6月に米国コロラド州ボルダーで行われる第22回米国熱物性会議にて発表する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの一般化水素結合モデルの関数形を抜本的に見直し,中低温域まで拡張することに成功した.このモデルは適用温度範囲外への補外においても良好な再現性を示すことが確認されている.2024年度以降に行う超低温域への拡張への準備が整ったと考え,進捗としては概ね順調に進展していると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に開発した一般化水素結合モデルをR1132aの状態方程式開発に適用し,-60℃程度の超低温域まで拡張する.一般化水素結合モデルの優れた補外性や各項間の独立性から,係数および指数の僅かな修正によってR1132aの熱物性を良好に再現できる状態方程式が開発できると予想している. ただし,R1132aの実測値情報は限定的であることから,製造元のメキシケム社に高純度サンプルの提供を依頼し,研究分担者や外部の研究機関等に密度や音速の測定依頼を行う.
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