研究課題/領域番号 |
23K03731
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
園部 元康 高知工科大学, システム工学群, 准教授 (50455169)
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研究分担者 |
八木 千裕 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (00837669)
堀井 新 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30294060)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | フォースプレート / 慣性センサ / 慢性めまい / PPPD / 前庭感覚 / 体性感覚 / バランス評価 / 感覚器重みづけ / モード解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,めまい患者,特に持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)と呼ばれる患者を対象に,そのバランスメカニズムの特異性からめまいの原因を明らかにすることを目指す.患者のバランスの計測を足裏の力計測板(フォースプレート)と頭部の慣性センサの組み合わせとして簡易化し,実際の医療現場でも計測可能なシステムとする.得られたデータから重心の動きとバランス制御の関係や,股関節戦略と足関節戦略の関係といったバランス指標を導出し,その指標を再現するバランス制御モデルを構築することで,めまいのメカニズムを明らかにする.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,めまい患者の原因が末梢性か中枢性であるかを非侵襲で容易に計測ができる安静立位のバランス計測から判定することである.主要な課題としては,中枢性のめまいに対する内耳にある前庭感覚(三半規管と耳石)の貢献度,特に体性感覚と比較しした場合の貢献度を安静立位のデータから推定することである.これを実現するにするためには,実用的かつ高精度な装置の導入,計測データの取得,統計学的な整理の3つのステップを要する.実用的な計測装置の開発に向けた理論構築は完了しており,その理論と精度検証を学術論文に掲載した.現在は,メーカーと連携して安価な装置を開発し,様々な医療機関で計測が可能になるように準備を進めている.計測データの取得では,めまい患者については特に判定が難しいPPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)の患者と他の慢性めまいの患者を対象に,新潟大学でデータの取得を進めている.また,対象群となる60~70代の高齢者データも協力機関(慶應義塾大学,京都大学)と連携して取得した.これらのデータの解析では前庭機能の貢献度が変化した場合の違いを的確にとらえる評価指標が必要となる.それを構築する手がかりとして,ノイズ前庭電流刺激(nGVS)を与えた場合に前庭の貢献度が参考となるため,別の協力機関(福岡国際医療福祉大学)と連携してnGVS付加時の安静立位のデータを取得したうえで,適切な評価指標を構築した.その結果については学術論文を執筆する段階であるが,この結果を用いることで慢性めまいの前庭感覚の貢献度について適切な結果が導き出せると考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計測装置のハードウエアは完成し,データの取得が可能な状態になっている.評価指標についてソフトウエア的な実装を行っている.それを用いてPPPDのデータの取得を行っている.また,対照群となる高齢者のデータ取得は完了している.前庭機能の貢献度を調べるための評価指標の構築については,nGVSを付加した場合の応答から閉眼の場合に生じる違いについて検証ができており,現在論文にまとめている.
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今後の研究の推進方策 |
PPPDの患者データの取得を進めるとともに,対象群の高齢者データの解析を進める.nGVS付加時のデータも併せて,慢性めまいの前庭感覚の貢献度について,明確な特徴を導き出す.
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