研究課題/領域番号 |
23K03737
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
上野 哲 立命館大学, 理工学部, 教授 (40322929)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 磁気軸受 / 磁気浮上 / メカトロニクス / 制御工学 / 低回転損失 |
研究開始時の研究の概要 |
磁気軸受は、電磁石や永久磁石などによる電磁気力を用いて、非接触で回転体を支持するものである。現在、空調用の圧縮機や水質改善のための曝気用ブロワなどで実用化がされており、その需要は年々高まっている。さらに風力発電機やエネルギ貯蔵フライホイール、連続流式人工心臓にも応用が期待されており、より小型で高効率なものが求められている。 本研究課題では、これまでにないコンパクトで低損失の5軸能動制御型磁気軸受の開発を行い、その特性や性能を明らかにするとともに、設計方法や制御方法といった基盤技術の構築を行う。
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研究実績の概要 |
磁気軸受は,電磁力の力で回転軸を非接触で支持するものであり,機械的接触がないため高速回転時の損失が小さい,潤滑が不要でコンタミが発生しないなどの特徴がある。しかし従来の磁気軸受の構造では回転時の鉄損が発生し,また扁平型の回転機械の支持に適していないとの問題がある。そこで本研究課題では,永久磁石による単極磁界と空芯コイルを組み合わせることで,ロータのアキシャル方向とラジアル方向の変位,ラジアル軸回りの傾きをアクティブに制御する低損失でコンパクトな磁気軸受の開発行う。空芯コイルにより2極の磁界を発生させると,単極磁界の不平衡が生じ傾きトルクが発生するとともに,ローレンツ力によりラジアル力が発生する。 2023年度は,試験機の設計と製作を行い,提案する磁気軸受の原理確認に取り組んだ。永久磁石には,取り扱いを容易にするため,適度な大きさのボタン型永久磁石を用いた。コイルは片面に6個の空芯コイルを配置し,それぞれのコイルを独立したリニアアンプで駆動する。またロータの変位を計測するためレーザー式変位計を購入した。そしてデジタルシグナルプロセッサ(dSPACE, MicroLabBox)にコントローラを実装し,浮上試験を行った。 浮上試験の結果,アキシャル方向の制御と傾き方向の制御が可能であることを確認した。しかしラジアル方向についてはうまく制御が行えておらず,現在のその原因を究明しているところである。今後は,ラジアル方向制御の問題点を解決し,5軸の能動制御の実現を目指す。そして軸受力や回転損失などの特性を調べていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画のとおり,2023年度に試作機の設計と製作および制御システムの構築を行った。試験機を製作し,浮上試験を行った。アキシャル方向と傾き方向の浮上制御には成功したが,ラジアル方向の制御についてはうまくいっておらず,現在その原因を究明を行っているところである。 静特性の測定は6軸力覚センサを用いて行う予定であり,現在,その装置の設計に取り掛かっているところである。
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今後の研究の推進方策 |
まず変位センサ,駆動回路,コイル,制御プログラムのチェックを行う。センサは校正を行うとともに動作速度を確認する。駆動回路は司令電圧に対して正しく電流が流れているかを確認する。コイルは抵抗とインダクタンスの測定と絶縁性の確認を行う。問題を発見すれば修正を行う。浮上制御プログラムは製作した装置の座標系とコイルの配置に間違いがないかを確認する。以上のチェックを行うことで浮上制御を実現的ると考えている。 静特性は6軸力学センサを用いて測定を行う。センサにロータを固定する部品の設計・製作を行う。 そして回転特性を評価するための装置の設計を進めていく。
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