研究課題/領域番号 |
23K03745
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
江 鐘偉 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (60225357)
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研究分担者 |
竹下 幸男 山口大学, 医学部, 教授(連携講座) (70749829)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 徒手筋力検査(MMT) / 末梢神経障害 / 測定装置 / 示指の発生力 / 示指骨格筋の可動域 / 可動域 / 最大筋力 / 触診感覚の数値化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、末梢神経障害の患者の治療効果を検証することを目指しているため、専門医が神経患者の骨格筋を動かしながら手で触れて確認すると同時に、合わせて可動域と最大筋力をセンサデバイスで客観的に記録することができれば、神経の回復状態をより的確に評価できると考える。本研究では、患者が自宅でも使用可能な神経支配筋測定評価装置と、専門医が指先に装着して触診しながらデータを記録できるセンサデバイスを設計開発し、実臨床で神経の回復過程を緻密に評価する方法を確立するとともに、医師の触診感覚と経験をセンサから客観的なデータと照らし合わせ、骨格筋と神経の回復における総合作用と相乗効果を調べる。
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研究実績の概要 |
本研究では、専門医が神経患者の骨格筋を動かしながら手で触れて確認すると同時に、合わせて患者示指の可動域と発生力をセンサデバイスで客観的に記録し、神経の回復状態を見える化することを目指している。 本年度では、示指に装着して正中神経・尺骨神経・橈骨神経の支配筋の発生力と可動域を測定するセンサデバイスを設計・試作した。本センサデバイスは3軸加速度センサと、感度の異なる二つの圧力フイルムセンサから構成される。また、示指への装着性を考慮して本センサデバイスのケース設計は専門デザイナーに依頼した。 本センサデバイスを専門医の指先に装着し数名の神経患者に対して徒手筋力テストを施した。MMT4-5の患者に対しては示指の最大発生力を計測することが可能であった。しかし、MMT3以下の患者に対しては、骨格筋の活動範囲を正確に計測できなかった。 その原因は医師の示指の動きが患者示指の動きと一致しない場合がある。このことを踏まえ、センサデバイスを患者の示指に装着する仕様に変更し、センサデバイスのケースを再度設計試作した。改良したセンサデバイスと、それに合わせた測定方法を用いることで、MMT3以下の患者示指の可動範囲ならびに微細の動きを計測可能となり、本センサデバイスの有用性を確認できた。 本センサデバイスの出力データを分析した結果より、MMT3-5の患者における徒手筋力テストを行う際に、医師が患者に与える負荷は相手のことをみて無意識的に加減されていることと、MMT3とMMT4の指標で定義されている抵抗値の大きさが医師によって感じ方が異なることが分かった。新たな課題として今後センサデバイスの改良ならびに測定方法の改善を取り組んでいく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
MMT3以下と以上の神経患者における課題を早い段階で発見できたため、医師の示指に装着することから患者の示指に装着することに変更し、それに合わせて徒手筋力検査用センサデバイスを改めて設計・試作し直した。それによって、正中神経・尺骨神経・橈骨神経のMMT1-5レベルを検査できるセンサデバイスを実現した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては ①前年度の開発したセンサデバイスを検査者がより取り扱いやすくするため、計測用アプリを作成する。 ②代償筋の影響を抑えるための代償筋抑え機構を試作開発することと代償筋の影響を軽減する測定方法を考案と検証する。 ③正中神経、尺骨神経、橈骨神経障害患者をそれぞれ10名程度集め、MMT3とMM4を判別するセンサ出力評価値のカットオフ値を求める。
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