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全身の剛性と感度を可変のロボットの基盤技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23K03760
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
研究機関九州工業大学

研究代表者

高嶋 一登  九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (30435656)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードロボティクス / 可変剛性 / 形状記憶ポリマー / ジャミング転移 / 形状記憶合金 / ソフトメカニクス / 力覚センサ / ロボットアーム
研究開始時の研究の概要

研究代表者は、形状記憶ポリマー、ジャミング転移現象、形状記憶合金などを利用した全身の剛性と感度を可変のロボットを開発し、ソフトロボットの柔軟性・多自由度と金属製の産業用ロボットの正確性・高剛性を自在に切り替え可能にすることを目指してきた。本研究は、全身の剛性と感度を可変のロボットの実現に向けての主要な問題である、『剛性と感度を①どのようにして正確に切り替えるか?②どのタイミングで切り替えるか?』という問いに答えるものである。さらに、その検証結果を基に、剛性、感度可変ロボットの要素技術のブラッシュアップを進める。

研究実績の概要

本研究では、形状記憶ポリマー(SMP)、ジャミング転移現象、形状記憶合金(SMA)などを利用したロボットアームの剛性と感度を①どのようにして正確に切り替えるか?②どのタイミングで切り替えるか?について検証する。さらに、その検証結果を基に、各要素技術のブラッシュアップを進める。3年計画の1年目である2023年度には、以下の項目に着手した。
【実施項目1-1:切り替えの正確性の向上】これまで開発してきた個別の要素技術の改良により、剛性と感度の切り替えの正確性の向上を図った。例えば、電熱線を埋め込んだSMPシートを用いた人工筋肉では、電熱線に使用していたニクロム線をSMA線に変更し、シートの作製再現性、形状回復性の向上を確認した。
また、SMP板にひずみゲージを貼り付け、片持ち梁状に固定した力覚センサを作製し、SMPの断面形状を変更し、先端に加えた力と検出されるひずみの関係を変更することができた。一方、手動で折り曲げてSMPシートに埋め込んでいたニクロム線を、コンピュータ数値制御(CNC)加工した金属箔に変更し、作製再現性を向上させた。3種類の構造の力覚センサを試作し、どれも温度によって測定する力のレンジを変更可能なことが分かった。
【実施項目1-2:切り替えのタイミング確定】剛性と感度の切り替えのタイミングを確定する基礎検討として、(実施項目1-1)で開発した力覚センサの対象物の圧縮剛性測定への応用を検証し、センサを用いて対象物の圧縮剛性を測定できることを確認した。
【実施項目2:項目1の成果を組み合わせたロボットアームの開発】市販のロボットアームにSMAとジャミング転移現象を用いた可変剛性リンクを取り付け、ピックアンドプレース動作を評価した。任意の形状に変形し保持可能なリンクの形状や形状固定方法の改良により、可搬重量、搬送可能回数の増加、固定した形状の耐久性の向上が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「研究実績の概要」に記載のように、おおむね当初の計画通り【実施項目1-1:切り替えの正確性の向上】、【実施項目1-2:切り替えのタイミング確定】、【実施項目2:項目1の成果を組み合わせたロボットアームの開発】に着手できたため。ただし、実際にどのタイミングでリンクの剛性やセンサの感度を切り替えるかについて検証していないので、次年度は(実施項目1-2)についても重点的に評価していきたい。

今後の研究の推進方策

3年計画の2年目である2024年度には、以下の項目を実施する。
【実施項目1-1】2023年度に開発したSMA線やCNC加工した金属箔を用いたSMPシートをさらに別の実験によって評価していく。また、人工筋肉に貼り付けて繰り返し動作する中でSMPシートが裂断する場合があったので、シートの貼り付け方の改善など、耐久性向上に取り組む。さらに、SMA線を埋め込んだSMPシートについて、先行研究で実施して効果のあったSMPシートのように、シートを分割して、人工筋肉の湾曲角度、発生力の増加を図る。力覚センサでは、SMPシート作製方法、構造の変更などによって、ひずみと力の関係における理論値との差を減らしていく。その際、偏光カメラを用いてSMPシートの変形時の応力分布を測定し、センサ構造の最適化を図る。既に(実施項目2)としてロボットアームに応用している可変剛性リンクについては、その実験結果を基に、構造などを改良していく。また、触覚センサでは、形状固定方法を改良していく。
【実施項目1-2】動作の正確性向上、ロボットや周囲の損傷リスク低減の観点から、最適なタイミングを決定していく。その際、環境に応じて、能動的に変更する手法の提案も目指す。
【実施項目2】ロボットアームに取り付けてピックアンドプレース動作を評価したリンクは、さらにもう1台のロボットアームを追加し、追加したアームによって型を押し当てて形状を固定し、双腕ロボットによる工程の効率化や自動化を目指す。またグリッパとしての応用も図っていく。一方、開発した力覚センサをロボットハンドに取り付け、物体の把持力を測定する実験を行う。また、対象物の持ち上げ・維持動作などを行い、機械的特性(強度など)を検証する。
以上の結果得られたロボットアーム、および各要素技術の構造などについて、知的財産権の確保を目指す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Motion Evaluation of Variable-Stiffness Link Based on Shape-Memory Alloy and Jamming Transition Phenomenon2024

    • 著者名/発表者名
      Takashima Kazuto、Suzuki Hidetaka、Imazawa Toshiki、Cho Hiroki
    • 雑誌名

      Journal of Robotics and Mechatronics

      巻: 36 号: 1 ページ: 181-189

    • DOI

      10.20965/jrm.2024.p0181

    • ISSN
      0915-3942, 1883-8049
    • 年月日
      2024-02-20
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 断面形状変更により感度可変な力覚センサの研究2023

    • 著者名/発表者名
      太田 憲吾、高嶋 一登
    • 学会等名
      第24回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 形状記憶ポリマーを用いた力覚センサの構造変更と応用2023

    • 著者名/発表者名
      谷口 太一、高嶋 一登
    • 学会等名
      第24回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 形状記憶複合材料シートを用いた空気圧ゴム人工筋の性能評価2023

    • 著者名/発表者名
      岡村 裕太、高嶋 一登、永石 順也、長 弘基、則次 俊郎、向井 利春
    • 学会等名
      第24回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 形状記憶合金とジャミング転移現象を用いた可変剛性リンクの構造評価2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 秀隆、高嶋 一登、長 弘基
    • 学会等名
      第24回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Structural modification of force sensors using shape-memory polymer2023

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi Taichi、Takashima Kazuto
    • 学会等名
      11th International Symposium on Applied Engineering and Sciences (SAES2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 形状記憶ポリマーのアクチュエータ・センサ応用2023

    • 著者名/発表者名
      高嶋 一登
    • 学会等名
      講習会「ソフトマテリアルを用いたアクチュエータ・センサの基礎と応用」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Improved method of preparation for shape-memory polymer sheet with embedded electrical heating wire for use in pneumatic artificial rubber muscle2023

    • 著者名/発表者名
      Okamura Yuta、Takashima Kazuto、Noritsugu Toshiro、Mukai Toshiharu
    • 学会等名
      SICE Annual Conference 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Improvement of electrical heating wire structure of force sensors using shape-memory polymer2023

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi Taichi、Takashima Kazuto
    • 学会等名
      SICE Annual Conference 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [備考] 九州工業大学大学院生命体工学研究科高嶋研究室ホームページ

    • URL

      http://www.life.kyutech.ac.jp/~ktakashima/research/research.html

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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