研究課題/領域番号 |
23K03763
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
横川 隆一 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (70220548)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 伸展筋腱機構 / DIP‐PIP関節 / ダイヤル回転 / インターフェース / 骨格筋モデル / ソフトロボティクス / 指先インピーダンス |
研究開始時の研究の概要 |
被験者が、コンピュータディスプレイ上を左右に動く目標マーカー(事前に設定済の動き)に、示指と母指の指先によってダイヤルを回転操作することで、操作マーカーを追従させる。操作中に、示指・母指・手首の運動、指先力と筋の活動(表面筋電位)を計測する。さらに、指先力を入力として、ダイヤルモータをインピーダンス制御することによって、操作中の指先剛性値を推定する。筋の活動からは、さらに腱張力(弛緩状況)を推定する。これらの計測データと示指の筋・腱・腱膜のネットワークモデルに基づいて、示指の伸展機構が、DIPとPIP関節の協調運動と指先剛性にどのように作用しているのかを解明する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、示指の筋・腱・腱膜から成る伸展機構が、物体操作中の関節間の連動、あるいは指の姿勢と指先に作用する力によって、腱を弛緩して駆動系を切り替え、この切り替えによって、示指の器用な運動制御を実現しているのかどうかを調べることにある。 計測の対象は、被験者が直径50 mmのダイヤルを右手の示指・拇指の指関節の動きでつまみ回転操作する動作である。ダイヤルを時計回りに操作するときと反時計回りに操作するときの2種類の回転操作とした。 本年度、研究計画に従って計測システムの構築を進めた。手・指の3次元運動計測では、指先でのダイヤル操作を行う前に、自由空間での示指の屈曲・伸展動作を計測し、指先に力が作用し無いときの、遠位指節骨間(DIP)関節と近位指節骨間(PIP)関節の連動関係を計測した。そして、示指の伸展機構の筋・腱・腱膜のネットワークモデルに基づいて、示指の伸展機構が、示指のDIPとPIP関節の協調運動に、どのように作用しているのかを調べた。その結果、被験者が意識して内在筋や外在伸筋が作用するように屈曲・伸展したときとそれらを作用させないときとを比較すると、DIP-PIPの連動関係が異なった。結論として、人間は内在筋や外在伸筋の作用の違いによってDIP-PIP関節の連動関係を変化させることで、つまみ動作において指先を物体と接触させるとき、指の腹部での安定把持や指の先端での精密な位置合わせに対応できることが示された。人間の示指は内在筋や外在伸筋の機械的な作用の切り替えによって、状況に応じて指先を制御している可能性が示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前実験の計測結果からダイヤル回転操作時の指先剛性の推定精度を考慮すると、推定された指先剛性値から筋腱駆動系の働きを調べるよりも、指先力と指先位置・姿勢から筋腱駆動系の働きを考察する方が有効であるかもしれない。これを検討するため、計測データの確認に時間を要しているため。
|
今後の研究の推進方策 |
前実験の計測結果から、ダイヤル回転操作時の指先剛性の推定精度を考慮すると、推定された指先剛性値から筋腱駆動系の働きを調べるよりも、指先力と指先位置・姿勢から筋腱駆動系の働きを考察する方が有効であるかもしれない。ダイヤルの回転軸のモータには、インピーダンス制御を施しているので、ダイヤル回転操作において、ダイヤルを回転するときのダイヤルの重さや摩擦(インピーダンスモデルの慣性値と粘性値)を変更することができる。この変更に対する指先力と指先位置変位、および指を動かすための筋の働き(表面筋電位)に基づいて、ダイヤル回転操作時の筋腱駆動系の働きを調べることを検討する。
|