研究課題/領域番号 |
23K03766
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 東京工業高等専門学校 |
研究代表者 |
冨沢 哲雄 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (60549707)
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研究分担者 |
武田 美咲 東京工業高等専門学校, 電気工学科, 講師 (10879828)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 不安感推定 / 搭乗型ロボット / 自律移動 / 環境計測 / バイタルデータ / 自律移動ロボット / パーソナルモビリティ / 環境と情動との相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
自動走行型の電動車椅子が、搭乗者の想定とは異なる進路をとると、搭乗者は強い不安感を覚えることがある。本研究は、周辺環境の何が要因となり、搭乗者に対してどれくらいの不安感を生じさせているかを解明することを目指す。この研究の特色は、周辺環境の三次元形状・ロボットの移動経路・搭乗者の視線や不安感などを一括して観測し、これらの情報を統計的手法や機械学習により分析することで、不安感発生の因果関係を定量的に評価する点にある。ここで得られた知見に基づき、搭乗者が抱く不安感を事前に予測したり、不安感を最小化するための設計・動作計画指針を示す。
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研究実績の概要 |
この研究の目的は、自律移動するパーソナルモビリティに搭乗した人間がどのような要因によってどの程度の不快感を抱くかを明らかにすることである。初年度である令和5年度は、計画に従って以下の内容を実施した。 (1)走行経路周辺環境の三次元形状と、ロボットや歩行者などの移動物体の位置姿勢を一括して観測・再現するシステムの作成 まずはじめに、屋内外の環境中を自律あるいは遠隔操作により移動することができ、車体周辺の環境形状を収集することのできる電動車椅子を開発した。この車椅子は複数のLiDARを搭載しており、周囲の三次元形状をリアルタイムに観測したり、既知の地図情報と観測情報を照合することで自己位置を推定することが可能である。また、Unityとよばれるゲームエンジンを利用し、可搬型三次元スキャナで計測した走行経路周辺の色付き3Dモデルを取り込むことで、実際の環境と同じ状態をコンピュータの仮想空間上に再現する「デジタルツインシステム」を構築した。 (2)搭乗者の不安感を観測・定量化するシステムの試作 本研究において、不安感を定量的に計測する手法の確立が重要である。当初は、あらかじめ被験者にジョイスティックを持たせて置き、不安感の強さに応じてレバーを押し込んでもらう手法を採用した。また、将来的には被験者が能動的に操作を加えなくても不安感の計測ができるようにすべく、被験者にウエアラブルセンサを装着し、心拍等のバイタル情報と不安感との相関を調査した。 ここで得られた知見は、国内の学会で複数の発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自律移動するロボットの開発や、デジタルツインシステムの開発は順調に進んでいる。 一方、バイタル情報に基づく被験者の不安感推定については、被験者実験を行うための方法の検討や倫理審査に時間を要したため、十分な実験が行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
不安感の大きさを定量的に測定する方法として、現在は被験者が能動的にレバーを押し込むという方法を採用しているが、今後は被験者が意図的に操作することなく外部から被験者を観察して得られる情報から不安感の大きさ推定する方法について検討を行う。 また、構築した電動車椅子システムを用いて、様々な環境で被験者を搭乗させ、走行経路周辺環境および被験者が感じた不安度に関するデータを収集する。 この実験により得られた複数の観測情報を入力変数、被験者が感じた不安感の大きさを出力変数として学習(重回帰分析など)を行うことで、周辺環境と搭乗者の不安感との相互作用をモデル化するとともに、このモデルに基づいたロボットの行動生成プログラムの開発に着手する。
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