研究課題/領域番号 |
23K03775
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
亀川 哲志 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 准教授 (80432623)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ヘビ型ロボット / 曲率微分制御 / ランダムポール |
研究開始時の研究の概要 |
これまでにも多種多様なヘビ型ロボットが研究開発されているが複雑な環境で適応的に移動できるヘビ型ロボットは実現されておらず,これが実用化にむけた大きな障害であると考えられる.そこで本研究では3次元運動が可能なヘビ型ロボットに搭載された環境との接触状態を測定するセンサや関節負荷を測定するセンサからの情報を活用して,適応的に複雑な環境を走破するヘビ型ロボットの実現を目指す.本研究成果は,災害発生時には倒壊した建築物内部を移動して要救助者の探索をしたり建築物の損害状況を調査したりするヘビ型ロボットの実現,ならびに,平常時には工場などで配管内の点検を行うロボット技術に応用されることが期待できる.
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研究実績の概要 |
ヘビ型ロボットは細長い構造であるので狭隘地や複雑な構造物に進入して探索をするロボットとしての応用が期待されており,そのためにロボットと環境との力学的相互作用の中で適切に移動するためのモーションを生成することが本研究の最終目的である.令和5年度においては,実験用ロボットシステムの構築と,評価用のランダムポール環境の構築を行い,基礎実験を行った. 実験用ロボットシステムの構築においては,サーボモータDynamixel XH430-W350を複数個直列に連結してヘビ型ロボットを構成した.ヘビ型ロボットには受動車輪を取り付け,横うねり運動で推進することを可能とした.先頭から2つ目までの関節はサーペノイド曲線に基づいた周期的な運動を生成し,それ以降の関節においては,曲率微分制御を実装して,隣接する2つの関節角度の差から,所定の関節位置のトルクを計算して関節を駆動させる. ランダムポール環境の構築においては,まず,30mm間隔で格子状に穴の開いている有孔ボードを用意した.また,直径が60mmの木の丸棒の中心に穴をあけ,鬼目ナットをいれてボルトで固定できるポールを作成した.このポールを,有孔ボードの任意の穴にボルトで固定することで,様々なパターンでポールを配置することができる. 基礎実験として,ランダムポール環境内で,特定の目標経路に沿って,実験用のヘビ型ロボットを推進させた.実験にあたって,ヘビ型ロボットの先頭にカラーマーカーを取り付け,天井に設置したWEBカメラの映像を処理して,ロボットの先頭位置を取得できるようにした.目標経路とロボットの先頭位置の差に応じて自動的にヘビ型ロボット先頭から2関節目までのサーペノイド曲線の生成のバイアスを調整して,進行方向の左右の操舵を行うアルゴリズムを実装した.本実験により,ロボットとランダムポール環境との接触が発生することが確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験用ロボットシステムの構築と,評価用のランダムポール環境の構築は当該年度に完成することができた.しかしながら,環境とインタラクションをしてランダムポール内で推進するアルゴリズムの実装には至っておらず,今後研究を加速する必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
ヘビ型ロボットが複雑環境内で環境とインタラクションしながら推進するアルゴリズムについてはこれまでに我々の研究グループで提案しているJoint States Feedback Adapt Control (JSFAC)というアルゴリズムがある.これは,ロボットの関節の状態をセンサで読み取って制御に活用するものであり,シミュレータ内に構築したヘビ型ロボットを使って,JSFACの有効性はこれまでに確認をしている.このアルゴリズムは,当該年度で作成したヘビ型ロボットのシステムへも実装可能であるため,まずはこのアルゴリズムを実機ロボットに実装して実験を行い,その有効性を確認する予定である.これと並行して,ヘビ型ロボットと環境との接触状態を直接的に計測するための新たなセンサの設計開発も検討しており,これが実現した後に,ロボットに実装して改良することで,障害物利用推進アルゴリズムを発展させる予定である.
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