研究課題/領域番号 |
23K03781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
橋本 雅文 同志社大学, 理工学部, 教授 (10145815)
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研究分担者 |
佐藤 健哉 同志社大学, 理工学部, 教授 (20388044)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | マイクロモビリティ / LiDAR / ソリッドステートLiDAR / 環境認識センシング / 環境地図生成 / 安全走行支援 / ITS / 小型モビリティ / 環境センシング / クラウドセンシング |
研究開始時の研究の概要 |
人々の都市内近距離移動手段として一人乗り「小型モビリティ」が期待される中,それに関連する交通事故の低減が小型モビリティの普及には不可欠である.本研究では,小型モビリティが走行可能な歩車道環境において,モビリティ搭乗者のヘルメットやモビリティに装着した小型センサで環境センシング情報を取得する.そしてクラウド空間に集約して自動車の高度安全運転支援として進展する路車協調型高度交通システムにおけるセンシング情報と連携することで,小型モビリティ自身のみならず周辺の多様な交通参加者の交通事故軽減を可能とするクラウドセンシング技術を確立する.
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研究実績の概要 |
都市内近距離移動手段として一人乗り小型モビリティが期待される中,それに関連する交通事故の低減が小型モビリティの普及には不可欠である.本研究では,小型モビリティが走行可能な歩車道環境において,モビリティ搭乗者のヘルメットやモビリティに装着した小型軽量LiDARセンサで環境をセンシングし,小型モビリティのみならず周辺を移動する交通参加者に対する高度な安全移動を支援することを目的とする.本研究に関して令和5年度は以下の成果を得た. (1)LiDARデータの歪補正:小型モビリティに装着した小型軽量ソリッドステート型LiDARによる環境センシングにおいて,車体揺動に起因するLiDARデータの歪を①LiDARを用いたNDTスキャンマッチングによるモビリティ自己姿勢情報と,②モビリティ装着のIMUからの角度,角速度情報によりアンセンティッドカルマンフィルタにより補正する方法を検討した. (2)LiDARデータによる環境地図構築: (1)で補正したLiDARデータから静止物体に関するデータを抽出し,走行周辺の静止障害物を記載した静止立体物地図をNDT SLAMをもとに構築する方法を検討した.また,小型モビリティの転倒事故につながる周辺走行路面の凹凸や路面上の落下物をLiDARデータにより抽出し,路面凹凸地図を構築する方法を検討した.さらに,LiDARでは検出困難な小さな路面凹凸をIMUの加速度,角速度情報から検出する方法を検討した. (3)装着型LiDARシステムの構築と基礎実験:モビリティへの装着型LiDARシステム,ヘルメット装着型LiDARシステムの両方を構築するとともに,モビリティ装着型LiDARシステムに対して,歪補正法,静止立体物地図生成法,路面凹凸地図生成法に関する基礎実験を大学キャンパス内の歩車道環境で実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)LiDARデータの歪補正法の検討: LiDARデータのアンセンティッドカルマンフィルタによる歪補正に関して,小型モビリティ装着型LiDARに対しては予定通りの成果が得られた.しかし,ヘルメット装着型LiDARについては歪の補正性能が不十分であった.モビリティの車体揺動とともにヘルメットを装着するモビリティ搭乗者の大きな頭部運動に対しても影響を受けにくい歪補正法の再検討が必要となっている. (2)LiDARデータによる静止障害物・路面凹凸地図構築法の検討:当初は令和6年度での実施を予定していたが,小型モビリティ装着型LiDARに対する地図構築に関しては令和5年度で検討が可能となった. (3)装着型LiDARシステムの構築と評価実験:当初の予定通り,令和5年度にモビリティ装着型LiDARシステム,ヘルメット装着型LiDARシステムの両方を構築できた.また,小型モビリティ装着型LiDARについては極限られた状況であるものの基本的な性能が確認できた.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度の成果を基礎に以下を実施する. (1)装着型LiDARによる環境認識センシング(令和6年度):ヘルメット装着型LiDARの歪補正法と路面凹凸地図構築法を再検討する.また,モビリティ装着型LiDAR,ヘルメット装着型LiDARの両方に対して,静止障害物地図構築法と路面凹凸地図構築法の詳細な評価実験を大学キャンパス内の歩車道環境で行う. (2)歩車道環境地図の統合・更新(令和6,7年度):(1)で構築した静止障害物地図と路面凹凸地図をクラウド空間で統合して環境地図を作成する.さらに,他の小型モビリティからの地図情報や路車協調型高度交通システムにおける路車センサ情報に基づいて作成された地図情報にもとに環境地図を更新することでその信頼度を高める方法を検討する.これら手法の評価実験を大学キャンパス内の歩車道環境で行う. (3)歩車道環境の走行リスク地図構築(令和7年度):(2)で開発した環境地図をもとに,小型モビリティ転倒や衝突の危険の可能性を表現する「走行リスク地図」をクラウド空間上で構築する. 評価実験を大学キャンパス内の歩車道環境で行い,本研究を総括する
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