研究課題/領域番号 |
23K03784
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
|
研究機関 | 和歌山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
村山 暢 和歌山工業高等専門学校, 知能機械工学科, 准教授 (30709176)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 群ロボット / スワームロボット / 耐故障性 / 自律分散制御 |
研究開始時の研究の概要 |
群ロボットシステムの運用において故障ロボットを積極的に活用する手法を探る。群ロボットは多数のロボットで構成されるため、運用中にいくつかのロボットが故障する恐れがある。本研究では、故障したロボットに適切な役割を割り振ることでシステム全体のタスク達成度の向上を目指す。故障の種類に応じて個体の役割を適切に選択できるような自律分散制御手法を開発し、実験を通じた評価・検証を行う。
|
研究実績の概要 |
群ロボットシステムはその多数性から、少数のロボットが故障しても残りのロボットによってタスクを継続できる、耐故障性を有していることが知られている。一方で、ロボット数は有限であることから、故障ロボットをシステムから除外することによるタスク達成度の低下は避けられない。本研究は群ロボットシステムを対象に、ロボットの部分機能が故障した場合の協調手法を開発する。本研究では特に、部分故障を起こしたロボットを積極的に活用することで長時間タスクの達成度を上昇させることを狙う。具体的にはいくつかのロボットの、観測機、移動機構、通信機、のいずれかが故障した場合を想定し、残りの機能を活用して群ロボットチーム全体のタスクを継続するための協調制御手法を目指している。故障ロボットをシステムから除外した場合の耐故障性を議論する既存研究とは異なり、本研究では故障ロボットの残存機能を積極的に活用することで、故障発生時のタスク効率の低下を低減する。 今年度は観測機が故障した場合を対象に、近傍ロボットの観測と通信を利用して故障前と同様の協調移動を実現するための手法について議論した。移動軌跡からロボットの向きを推定し、ロボット間の相対座標を推定する手法を開発した。さらに、相互観測をリンクとしたグラフ構造を考えた場合、協調制御を継続できるグラフ構造と継続できないグラフ構造が存在することを明らかにし、適切なグラフ構造を維持するための移動制御手法を開発した。また、観測機故障後のグラフ構造が適切なものになるための、故障前に維持すべきグラフ構造についても同様に議論し、移動制御則を設計した。計算機シミュレーションによって提案制御手法の効果を確認した。現在、実機ロボットを用いた検証実験を計画中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点でロボットのセンサが故障した際の協調移動手法を開発し実機実験に取り掛かっている。このため、おおむね当初の予定どおり進展していると考えている。また、その他の移動機構故障、通信機能故障についても制御手法に関する目途が立ちつつあり、次年度の研究についても進展があると予測している。ただし、当初の計画を超える進展はないことから、「(2)おおむね順調に進展している。」と評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は移動機構が故障した場合、および、通信機構が故障した場合について協調手法を研究する。移動機構が故障したロボットは環境中に固定されたセンサノードとなる。これを積極的に活用し、センサ被覆を行う場合は固定ノードの被覆範囲を避けるように移動する協調移動手法を開発する。ロボットの通信機構が故障した場合、無線通信を利用するタスクには貢献できない。このような場合には通信を利用せず、センサ情報のみでユーザの場所まで自律的に戻るための手法を考える。 また、複数の機構が故障した場合についても考慮する。例えば、移動機構と観測機が故障したロボットがある場合、そのロボットは固定された通信ノードとしてのみ振る舞う。このロボットは通信中継器として利用できる一方、センサノードとしては利用できない。このようなロボットを活用できるタスクおよび活用する協調制御手法を模索する。
|