研究課題/領域番号 |
23K03789
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
安藤 芳晃 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30323877)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ULF電磁放射 / 地殻内電磁波伝搬 / WLP-FDTD法 / 地殻変動 / 電磁雑音 |
研究開始時の研究の概要 |
地震などの地殻変動によって電磁波が発生し、数Hz以下の極めて低い周波数のものは地表面で観測できる可能性が報告されている。この地殻内伝搬を効率的にシミュレーションする手法を開発する. また,開発したシミュレーション法を用いて,ULF放射と呼ばれる地震の前後に発生する電磁波の波源電流強度を推定,地震の規模との関係を明らかにし,未解明の物理の理解へ貢献する.
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研究実績の概要 |
3次元Weighted-Laguerre-Polynomial Finite-Difference Time-Domain (WLP-FDTD)を用いたULF帯地殻内伝搬シミュレータを開発した。Douglas-Gunnアルゴリズムは不安定性のため適用できなかったので、方向分離をせずに反復解法を用いてシミュレータを構成した。不均一メッシュおよび導電率を持つ媒質中でのPerfectly Matched Layerを開発してシミュレータを実現した。またGlobal Conductivity Modelという地下導電率モデルを解析対象とする3次元空間で切り出し、シミュレータに実装した。現時点では上空は大気のみを考慮しているため、長距離伝搬ではやや精度が落ちるものの、殆どのケースで使用可能な短距離伝搬であれば解析が可能となっている。 構成したULF帯地殻内伝搬シミュレータを用いて、実際に観測された地殻変動にともなうULF帯電磁放射の解析を行った。観測電磁界強度から波源強度を推定し、地震の規模との相関関係について調査を行った。3次元解析では波源の方向と電流ダイポール長というパラメタが必要なるため、震源近隣の断層に沿う方向でダイポール長を1kmという仮定を導入した。7個のイベントについて解析を行ったところ、概ね正の相関が得られた。解析したイベントの中ではSpitak地震がやや外れ値となったが、これは観測点-震央間距離が140kmと比較的大きいことから電離圏の反射による影響が無視できなかったケースの可能性がある。 これまで行ってきた2次元シミュレーションによる推定結果とは、多少の差は存在するものの概形としては分布に大きな差は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に沿う形でシミュレータを完成させた。ULF電磁放射のイベント解析も進めており、進捗は順調と言える。
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今後の研究の推進方策 |
電離圏をシミュレータに取り入れることを検討する。WLP-FDTD法での磁化プラズマのシミュレーションは未だ行われていないので、実装する前に次元低下を行った状態での磁化プラズマシミュレーションに取り組む。 ULF電磁放射のイベント解析についてはイベント数を増やすようにする。
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