研究課題/領域番号 |
23K03796
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
浜崎 真一 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (80363472)
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研究分担者 |
大道 哲二 長崎大学, 工学研究科, 助教 (50739175)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 電気自動車 / 急速充電システム / マルチレベルコンバータ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,電気自動車(EV)用急速充電スタンドの拡充を目指すべく,多数の充電スタンドをもつ大規模設備への使用を想定した新しい回路構成として,共振形モジュラーマルチレベルコンバータという新しい回路方式とその制御手法について研究を行う。本システムは,多数の充電スタンドを一括して制御・管理することによる高効率化と充電スタンドの小型化が可能であるという特長を持つ。このシステムに特化した重要な制御法として,一般的なPWM制御とPAM制御を組み合わせた新しい制御方式を適用し,理論解析・シミュレーションおよび実験システムによる実機検証を行い,その有効性を実証する。
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研究実績の概要 |
本研究では,電気自動車(EV)用急速充電スタンドの拡充を目指すべく,多数の充電スタンドをもつ大規模設備への使用を想定した新しい回路構成として,共振形モジュラーマルチレベルコンバータ(MMC)という新しい回路方式とその制御手法について研究を行う。本システムは,多数の充電スタンドを一括して制御・管理することによる高効率化と充電スタンドの小型化が可能であるという特長を持つ。このシステムに特化した重要な制御法として,一般的なPWM制御とPAM制御を組み合わせた新しい制御方式を適用し,理論解析・シミュレーションおよび実験システムによる実機検証を行い,その有効性を実証する。 理論解析では,提案システムの回路動作解析と制御理論を数式化しシミュレーションによる動作検証を行った。提案する回路は,MMCという回路構成をベースにしており,これにより高電圧かつマルチレベル波形の歪みの少ない電圧を出力できる利点がある。また,このMMCに共振用キャパシタを組み込むことにより送電効率の向上も図っている。提案する制御は入力交流側の電力制御,MMC内部のキャパシタの電圧制御,出力の直流電圧制御などで構成されており,入力交流側の電力制御はPWM制御,出力の直流電圧制御はPAM制御による方式で,これらを連携して制御することにより,目的の動作を実現することができる。回路シミュレーションは,回路解析ソフト(DSIM)を利用し,ソフト内で回路と制御プログラムを作成し動作検証を行った結果,本システムが急速充電器として安定かつ適正に動作可能であることが確認された。さらに,並行して実験検証を行うための装置作製も開始し,主要な回路が構築できたので,今後,制御プログラムも組み込み実験による検証も進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従って,提案するMMCの回路構成とモデル化及び理論解析を行い,MMCに適した制御方式の検証を進めた。提案するMMC回路モデルの構築を行い,それを適切に動作させるための制御方式として,入力側の電力制御,MMC内部のキャパシタ電圧制御,および出力直流電圧制御の3つを連携して制御する方式とそれらを効果的に実現するためのPWM制御とPAM制御を組み合わせた手法を設計した。この方式の基礎動作検証のため.回路シミュレーションにより検証した。検証の結果,提案する制御が目的とする動作急速充電システムに有効であることを明らかにした。 さらに,実験による動作検証を行うために実験システムの構築を開始し,システムに必要な主回路の作製を進めた。MMC主回路は半導体デバイスとその駆動回路,入出力の三相交流電源,リアクトル・キャパシタ等を準備して回路を構築できた。今後,提案する制御の有効性を検証するための本格的な実験に進めることができる。 以上のことから,本研究は計画に沿って,おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
提案したシステムの制御方式の有効性を示すために実験による検証を進める。提案する制御である入力側電力制御,MMC内のキャパシタ電圧制御,および出力側直流電圧制御のプログラムを作成し,データ収集および考察を行いながら適切に動作可能かを検証していく。制御プログラムはDSPとFPGAの2つがあり,DSPで上記3つの制御を,FPGAでPWM制御とPAM制御を行い,これらを連携させて全体の制御動作を実現させる。基礎動作確認の後,各種条件による性能評価試験を行う。評価試験として出力側の充電条件変動の試験などを行い,提案方式の有効性を明らかにしていく。シミュレーションのと実験で動作が異なる場合,問題が生じた場合はその原因を特定し,制御プログラムのデバッグを行いながら部分的な試験を繰り返して行うことにより,問題個所の発見・修正を行う。最終的にこれらの実験結果をまとめて,提案するシステムの有効性を明らかにする。
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