研究課題/領域番号 |
23K03799
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
|
研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
矢神 雅規 北海道科学大学, 工学部, 教授 (30364243)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | 系統安定度 / 可変速風力発電 / 太陽光発電 / deload運転 / GFLインバータ / GFMインバータ |
研究開始時の研究の概要 |
可変速風力発電および太陽光発電をdeloaded運転(出力を抑えて余力を確保する運転)し,系統電圧・周波数を自己確立できるGrid-forming(GFM)インバータを介して疑似慣性応答させることで,蓄電池を併設することなく慣性力と同期化力を柔軟かつ協調的に電力系統へ提供できる電力系統安定化制御システムを構築する。再生可能エネルギー電源のみで構成される制御システムである点に特徴があり,アンシラリーサービスに資する技術基盤を確立することで再生可能エネルギー電源の主力電源化に貢献する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、可変速風力発電および太陽光発電をdeload運転(出力を抑えて運転)することで瞬動予備力として活用し、系統電圧や周波数を自己確立できるGrid-forming(GFM)インバータを介してこれら発電設備を協調的に疑似慣性応答させることで、系統擾乱時の周波数変動や電圧変動を素早く抑制する系統安定化制御システムを構築することにある。以下に令和5年度の主な研究成果を示す。 1.従来型のGrid-following(GFL)インバータを対象に制御システムを構築した。可変速風力発電をdeload運転し、風車ブレードのピッチ制御と組み合わせて高速回転(運動エネルギーの形で保有エネルギーを増加)させる制御アルゴリズムを構築した。系統事故を想定した瞬時値ベースのシミュレーション解析において、周波数最下点(Nadir)が改善されると共にdeload率が高いほど周波数変動の収束性が向上することを確認した。また、太陽光発電のGFLインバータに対してもdeload運転するための制御アルゴリズムを実装し、deload率が高いほど出力幅が増えるため系統事故時のNadirが改善されることを確認した。さらに、有効電力と無効電力のどちらを優先して制御すべきか負荷特性を変えるなどして検討した。 2.droop制御方式および仮想同期発電機制御方式のGFMインバータを構築し、系統事故時の周波数変動の抑制に効果的な制御パラメータについて検討した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査に基づき電力系統モデルやGFL・GFMインバータモデルを構築し、提案制御アルゴリズムを実装して様々な運用条件下で有効性を検証しているため。なお、現時点でウインドファームやソーラーファームのような多電源構成下での検証や電源間の協調的な制御方法については検討できていないため、これらについては計画どおり2024年度に取り組む予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
再生可能エネルギー電源間の協調的制御方法について検討する。 1.風力発電の回転速度や太陽光発電の出力抑制状況、機械学習に基づく出力予測等に基づいてファーム内の各設備のdeload率や出力分担を決定するためのアルゴリズムを構築する。 2.同様にファーム間の出力分担を決定するためのアルゴリズムを構築する。
|