研究課題/領域番号 |
23K03802
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
星 伸一 東京理科大学, 創域理工学部電気電子情報工学科, 教授 (70292480)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 水素エネルギー / 水素化ホウ素ナトリウム / 燃料電池 / 水素キャリア / 電動アシスト自転車 / NaBH4 |
研究開始時の研究の概要 |
2つのタイプの水素生成装置について,水素生成能力や,電動アシスト自転車に適用した場合の有用性などを明らかにするため,以下の研究を実施する。 ①各方式に適した装置形状の検討【令和5年度】 ②各装置の水素生成モデルの構築【令和5~6年度】 ③各装置の水素生成量・圧力制御法の確立【令和6~7年度】 ④燃料電池を接続し発電性能の検証【令和6~7年度)】 ⑤電動アシスト自転車の改造・適用時の性能評価【令和5~7年度】
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研究実績の概要 |
水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)は,反応促進剤や適切な温度条件下で触媒を用いることにより加水分解反応による水素生成速度が向上できる。本研究は,NaBH4を燃料とする「誰でも手軽に安全に水素を利用できる水素生成装置」の開発を目的とし,この装置と燃料電池を電動アシスト自転車に搭載し評価する。水素生成装置としては,「燃料タンク・水素生成部・廃液タンク一体型水素生成装置」(Type A)と「触媒担持型水素生成装置」(Type B)の2種類について検討している。 今年度,Type Aの小型試作器を用いた実験では,提案抑制機構により,水を投入した直後の急激な水素生成を抑制することができた。しかし,水素生成装置を大型化した際に,抑制機構の重量やサイズの問題から期待された抑制効果が得られず,改良する必要があることが明らかになった。 Type Bについては,試作器での水素生成速度が遅く,触媒の加熱方法にも課題があることが明らかになり,構造を含め抜本的な検討が必要であることが明らかになった。 電動アシスト自転車については,入手後システム構成を確認したのち,燃料電池を接続するための電力変換回路の構成を検討した後,制御方法の検討を行っている。また,入手した電動アシスト自転車は,人が漕いだ力は後輪に伝わり,アシストは前輪に取り付けられたモータで行うタイプである。条件を統一して実行を行うためには,前後輪に負荷を掛けられるような試験装置が必要となるため,構成を検討し製作を開始した。 なお,燃料電池を購入する予定であったが,水素生成装置の圧力が制御できていない段階で接続すると,膜の劣化等につながるため,リアクタの開発を待ってから購入することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
このように考えた理由は,Type Bのリアクタについては,課題が多いものの,Type Aについては,複数のプロトタイプを製作し評価できており,評価用の電動アシスト自転車については負荷装置の開発も進んでいるためである。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,新たな水素リアクタについて検討する。Type Bの触媒担持型水素生成装置については,使用する触媒や,その加熱方法も含め,構造から抜本的に再検討する。 Type Aの燃料タンク・水素生成部・廃液タンク一体型水素生成装置については,電動アシスト自転車への搭載を先に行うために,水の供給方法として,ポンプを用いて流量や水素圧力をコントロールする方式についても検討する。その際に,いきなり燃料電池を接続すると,膜を劣化させてしまう恐れもあることから,燃料電池における水素吸入量を模擬する装置を,比例制御弁を用いて製作し,使用する。 なお,2024年秋頃までには 200 Wの燃料電池を購入し,提案水素生成装置に接続し,研究室内での発電実験を行った上,電動アシスト自転車に搭載し,製作中の負荷試験装置を用いて,発電性能や各部温度変化などの諸特性の評価を行う。 実験室内における評価については,様々な計測器を設置して行うことができるが,屋外における走行試験を実施する際には,大きな測定装置を搭載して走行するわけにはいかないため,電動アシスト自転車の電機システムと燃料電池を接続するインターフェースである電力変換回路を制御するためのコントローラに,ロガーの機能を持たせることを考えている。このような制御・測定装置についても開発を進めて,走行試験時に用いて再現性等を評価する。なお,このコントローラを用いて,最終的には適切に燃料電池の発電量を制御することで,燃料電池の水素圧力をコントロールしたり,燃費を改善したりする機能を持たせることも検討することも予定している。
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