研究課題/領域番号 |
23K03812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
羽賀 望 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50638476)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 定導電率誘電体 / 散乱問題 / 無線電力伝送 / 回路モデリング / 周波数分散媒質 / 異方性媒質 / 不均一媒質 |
研究開始時の研究の概要 |
無線電力伝送システムを構成する送受電回路と無線結合器を統一的に設計するためには,結合器を電気回路としてモデリングすることが有用である.この目的のために,研究代表者はインピーダンス展開法という独自の手法を提案している.このインピーダンス展開法は,数段階の拡張を経て,誘電体や磁性体を扱えるようになったものの,周波数分散性の無い等方性の均一なものに限られており,更なる改善の余地もあった.本研究では,インピーダンス展開法を周波数分散性・異方性がある不均一媒質を扱えるように拡張する.
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研究実績の概要 |
研究代表者は,無線電力伝送システムの回路モデリングを目的として,インピーダンス展開法という独自の回路モデリング手法を提案し,無損失の誘電体・磁性体を扱えるように拡張してきた.本研究は,このインピーダンス展開法を周波数分散性・異方性がある不均一媒質を扱えるように拡張することを目的としている.この新たに扱おうとする媒質のうち,異方性媒質と不均一媒質については,体積積分方程式に基づいた定式化とプログラムの実装が必要となるため,従来の方法からの大幅な拡張が必要となる.一方,周波数分散性のみを考慮する場合は,これまでに採用してきた表面積分方程式に基づく方法を基にした拡張で対応できるため,まずはこれについて取り組むことを計画していた. 導電率が一定の誘電体も,波動インピーダンスと位相速度が周波数に依存するため,分散性媒質の一種と捉えられる.この定導電率誘電体を扱うための拡張については以前より検討を進めており,拡張された手法の適用可能範囲を明らかにした上で,海水中の無線電力伝送システムの回路モデリングに適用した.その内容を査読付き論文誌に投稿した結果,条件付採録の判定となったため,修正した論文を再投稿し,現在2回目の査読中となっている. また,インピーダンス展開法の新たな応用方法を開拓する目的で,低周波電磁波の散乱問題への適用を試みた.その結果,散乱電磁界の周波数特性を高速に計算できるようになった.その結果を国内学会の講演会に投稿して採録されたため,近々講演を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度であるR5年度に群馬大学から豊橋技術科学大学に異動したため,講義の準備や研究室の立ち上げなどに労力を振り向けざるを得ず,本研究の遂行に十分な時間を割くことが難しかった.科研費助成事業を支えて下さっている国民の皆様に対してはお詫び申し上げ,体制の立て直しを図っていく所存である.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおり,引き続き表面積分方程式に基づく方法を拡張し,誘電率や透磁率に周波数分散性がある媒質を扱えるようにしていく予定である. それが完了したら,体積積分方程式に基づく方法を導入し,異方性を有する不均一媒質を扱えるように,インピーダンス展開法の更なる拡張を行なっていく.
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