研究課題/領域番号 |
23K03819
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
大道 哲二 長崎大学, 工学研究科, 助教 (50739175)
|
研究分担者 |
浜崎 真一 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (80363472)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 同期リラクタンス発電機 / 電流制御 / SynRG のモデリング / 電力貯蔵装置の充放電制御 / 自立発電始動法 / 磁気飽和特性のモデリング / 仮想同期発電機 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では電力系統から切り離された分散型発電機に同期リラクタンス発電機 (SynRG) を適用し、自立発電を可能とする条件を明らかにし、レアアースを用いない高効率な発電システムの提供を目指す。SynRG は励磁源をもたないため自立発電始動時の始動エネルギーの確保とコンバータ制御への移行方式について確立が必要である。SynRG は、等価回路に置き換えてその制御系を設計することが広く用いられるが、局所的な磁束飽和が制御特性に影響を与える SynRG ではそれらの影響を従来の等価回路で表すことが難しい。そこで構造と磁束飽和特性を取り入れた SynRG の実時間での制御演算が可能なモデルを検討する。
|
研究実績の概要 |
本研究は,同期リラクタンス発電機 (SynRG) を用いたバッテリを備えた分散型発電機を研究対象として,電力系統から独立して自立発電を可能とする諸条件を明らかにし、レアアースを用いない高効率な発電システムを提供することを目指す。SynRG は局所的な磁気飽和の影響が制御特性に影響を与えることから,この影響を考慮した制御系を構築することが課題である。 本研究は SynRG の設計が主眼ではないため,市販の1.1 kW 定格出力の SynRG を購入した。SynRG のリードタイムが9か月と遅れたため,実機をベースとした検討は次年度から本格的に開始する。 現在までに,電磁界解析において既存の永久磁石同期モータのモデルをベースとして,基本的なモータパラメータの導出を行い、SynRG の電磁界解析に移行する検討を行った。 制御面では回路シミュレーションソフトを用いて,インダクタンスパラメータをテーブル参照で実装した SynRG を用いた回転子位置センサつきの電流制御系を構築した。高負荷時においては回転子突極に対して45°以上の位相角の固定子電流を流す時,単位電流当たりの最大トルクを生じる結果を得た。 短時間電力貯蔵装置を用いた高応答充放電制御について、ヌヴォトン社のマイコン評価ボードを用いて二象限チョッパを用いた充放電システムの実験システムを試作し、充放電指令に対して良好な追従特性を得る結果を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画にしたがい、SynRG の電磁界の数値解析用モデルの構築に向けた準備を、既存の永久磁石モータモデルを用いて行ってきた。SynRG 実機の納品に時間を要したため、実機を基にした SynRG の電磁界解析モデルの構築に関しては次年度に繰り越した。SynRG の複雑なインダクタンス特性のシミュレーション実装はできており,基本的な電流制御系の構築はシミュレーションおよび実機ともできている。しかしながら,実機において定格トルクが得られておらず,この原因の特定と解決を進めている。自己発電始動については SynRG 以外の設備準備のみが完了しており、この課題に関しては次年度に実施する。電力貯蔵装置の充放電制御に関しては実験設備が当初からあったため,計画を上回る進捗が得られた。 以上のことから、本研究は計画にたいして、やや遅れているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
納品の遅れた SynRG 実機が入手できたので,次年度は SynRG 実機を基にした電磁界解析用モデルの構築をすすめる。すでにモータの解析結果から従来の電気等価回路パラメータを求める方法に関する知見は得たので、SynRG でも同様にパラメータを求める。次に、制御に適用可能な SynRG のパーミアンスモデルに関しては追って検討を実施する予定である。自己発電始動に関して,まず発電始動が可能である条件を実験的に検証する。本始動と同様の取り組みは誘導機にて実証済みであり、これと SynRG を比較して発電始動条件を明らかにしていく予定である。これまでの電流制御では SynRG から期待していたトルクを得ることができない結果となっている。この原因を先ず明らかにし,SynRG のトルク制御のためのインバータ制御法を確立する。
|