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マルチパルスエレクトロポレーターによる魚類受精卵への物質導入

研究課題

研究課題/領域番号 23K03832
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分21010:電力工学関連
研究機関有明工業高等専門学校

研究代表者

河野 晋  有明工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (30270375)

研究分担者 冨永 伸明  有明工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (30227631)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードエレクトロポレーション / マルチパルス / メダカ / ゼブラフィッシュ / 魚類受精卵 / エレクトロポレーター / 物質導入
研究開始時の研究の概要

エレクトロポレーション法(電気穿孔法,EP法)とは,電気パルスを細胞に印加することで細胞膜に一時的な孔を形成しそこから物質を導入する技術である。
本研究では,魚類受精卵を対象として実験を行う。細胞と異なり,卵膜で取り囲まれている魚類受精卵内の胚細胞に外部から物質を導入するには,①まず受精卵の外膜である卵膜に孔をあけ,②そこから化学物質や遺伝子を導入し,③遺伝子の場合,さらに胚細胞に取り込ませる,ということが必要となる。
本研究は,これらの実現を目指して複数の電圧パルスによる新しいマルチパルスEP法を確立することを目的とする。

研究実績の概要

初めに,マルチパルスEP装置を用いて,魚類受精卵(メダカ,ゼブラフィッシュ)に対し電気パルスによるダメージの調査を行った。パルス幅と電圧を変化した電気パルスを溶液内の受精卵に印可し生存率と死亡率を調べた。実験結果より,メダカ受精卵は100 ns,2.0 kV,インターバル100 ms,3 ms,20 V,ゼブラフィッシュ受精卵は100 ns,800 V,インターバル100 ms,3 ms,20 Vを導入実験で用いるそれぞれの基本パルス条件とした。
導入実験では,分子量5k,60k,150k,500kDaの蛍光標識デキストランを溶かしたものをパルス印可時の周囲溶液として使用した。周囲溶液で満たした自作のキュベットに受精卵1個配置しパルス印可した。その後,蛍光顕微鏡を用いて,通常の蛍光視野画像および断面画像(顕微鏡付属のセクショニング機能)を観察した。
ゼブラフィッシュ受精卵に対する実験では,受精卵内部の断面画像および卵膜を破いて採取した卵内液(囲卵腔液)の蛍光画像から,パルス印可が無い場合5kや60kDaのデキストランは卵内に導入され,150kや500kDaは導入されないこと,一方パルス印可をすることで150kや500kDaも卵内に導入されることが分かった。
メダカ受精卵に対する実験では,断面画像では卵膜に付着したデキストランの発光が強く囲卵腔液からの発光との区別がつかず,さらに卵膜が強固で破くことができなかったため囲卵腔液だけの発光も未確認であり今後の検討が必要である。
実験と並行して,新型の高速大容量の半導体素子を用いたパルス発生装置を試作した。ナノ秒パルス発生に使用してきた従来のパルス形成線路型パルス発生器における問題の一つであるパルス幅を容易に変えられることに加え,負荷とのミスマッチに起因する出力電圧の変動がなくなることから,実験の効率の向上が期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

年度内の早い時期にゼブラフィッシュの飼育環境が整ったこともあり,メダカ受精卵とゼブラフィッシュ受精卵の両方に対する蛍光標識デキストランの導入実験を開始できた。

今後の研究の推進方策

卵膜が堅牢で膜上に付着したデキストランの発光強度が強いため導入可否が判明していないメダカ受精卵について導入判定手段について検討する。
マルチパルス印可の有無と異なるサイズのデキストラン導入の可否の関係について引き続き調査する。
同様の実験をパルス条件を拡大して行い,電気ダメージや導入量(発光強度)の変化を調査する。
GFPの導入実験を開始する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] ゼブラフィッシュ受精卵を対象とした矩形波電気パルスを用いた物質導入のための基礎実験2024

    • 著者名/発表者名
      片多 拓海, 波多鴻司朗, 嶽本和海, 前田 玲, 内田 雅也, 冨永 伸明, 河野 晋
    • 学会等名
      令和 5 年度(第 14 回) 電気学会九州支部 高専研究講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] マルチパルス EP 装置の改良 -半導体素子を用いた極短高電圧パルス発生装置用信号処理部 の高速化と高機能化について -2024

    • 著者名/発表者名
      德永 篤朗, 平須賀 勇徒, 河野 晋
    • 学会等名
      令和 5 年度(第 14 回) 電気学会九州支部 高専研究講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] マルチパルスEP 法によるTHP-1細胞に対するデキストラン導入実験2023

    • 著者名/発表者名
      波多 鴻司朗, 片多 拓海, 内田 雅也, 冨永 伸明, 河野 晋
    • 学会等名
      令和5年度 電気学会九州支部沖縄支所講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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