研究課題/領域番号 |
23K03851
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
西新 幹彦 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (90333492)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 情報理論 / 符号化遅延 / 忠実度規範付き符号化 / コスト付き符号化 / 遅延 |
研究開始時の研究の概要 |
情報通信において遅延と効率の間にトレードオフの関係があることは定性的に知られている。本研究では、信号の伝達時間や電子回路の演算速度ではなく、数学的写像あるいはオートマトンとしての符号に起因する遅延に注目し、制約下における遅延の最小化問題を数学的に解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
通信の遅延は情報の歪みとみなすことができる。この着想に基づき、一般情報源に対するレート歪み問題を考察した。我々は、この問題に対して確率的歪みの概念を導入し、固定長符号化を行った場合のレート歪み関数を明らかにした。確率的歪みは、情報源の観測値に雑音が含まれる場合のレート歪み問題を解く上で導出される概念である。一方、情報スペクトルを保存する可変長符号化という考え方も提案し、レート歪み問題に適用した。この考え方では,期待値や裾確率ではなく確率分布そのものによって符号語長を評価する。これらを踏まえ、確率的歪みに対して最大歪み制約を適用し、かつ分布を制約する可変長符号化を適用したもとでレート歪み問題を解いた。具体的には,良い符号が存在するための必要十分条件と歪みレート関数を明らかにした。 他方、通信の遅延は情報伝達のコストとみなすことができる。この着想に基づき、一般通信路に対するコスト付き符号化問題を考えた。基本的な問題設定では、符号器がもつすべての符号語がコスト制約を満たすことが要請される。拡張された問題設定では、送信される符号語のコストが制約を満たす確率を問題にする。これに関して、我々はコスト分布の裾確率を制約した場合の通信路容量を求めた。さらに、評価をコストの確率分布のものによるものに拡張し、一般通信路に対するコスト付き符号化問題を考えた。その結果、制約を満たす良い符号が存在するための必要十分条件と通信路容量を導出することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に関連した問題について、新たな数学的定理を導出することができた。
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今後の研究の推進方策 |
忠実度規範付き符号化問題とコスト付き符号化問題について、情報スペクトル保存の観点からさらに汎用性のある数学的定理を証明する。
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